上越教育大学の学部・大学院は、日本で最高レベルの教員養成・教員再教育を実現していると自負しております。その中で我がゼミは、最高の実績を上げ続けております。

 我がゼミでは、一人も見捨てられない教育・社会の実現を目指しています。具体的には『学び合い』を通してそれを実現しようとしています。

 私の研究生活の最初はアンケート研究です。私が大学院生当時の教科教育研究においては、数十人の結果を百分率で表し、それが多い・少ないで議論するレベルの稚拙なものでした。私は大型コンピュータを使える特技を生かし、数千人のデータを駆使し、統計分析を行う本格的なアンケート調査の先駆けとなる研究を行い、修士論文としてまとめました。

 その後は、その手法を活用し様々な論文をまとめました。しかし、不満が残りました。それは、「これこれの単元の理解度が低い」ということは分かりますが、どうやってそれを解決するかを明らかにすることが出来ないのです。結局、「であると思われる」以上に進めないのです。

 それを解決するために認知心理学の知見を利用するようになりました。頭の中をコンピュータのアナロジーで理論化し、様々な研究手法を開発していた認知心理学は、私にとって宝箱のようなものでした。それらを活用すると、今まで未開拓だった「何故分からない」、そして「どうやった分かるようになる」という結果を明らかにすることが出来ます。そして、実際に実践すれば、その結果が予想するような結果が出るのです。

 しかし、不満が残りました。それは、どんなにやっても全員を分からせることが出来ないことが明らかになったのです。認知心理学のエキスパート・ノービス研究や誤解分析を行えば、教師が教えるという枠組みでは絶対に全員を教えられないことが明らかになりました(このあたりは「『学び合い』を学びたい方へ」に書いてあります。)そして、その結果、『学び合い』研究に至りました。

 『学び合い』を研究した初期は、多くの教師の疑問に答えるレベルでした。つまり、班構成をどうしたらいいか、とか、どのような指導をすべきかというレベルです。しかし、研究・実践を積み上げていくうちに全く違った次元に進みました。

 今では、以下の問いに対して、どのようにしたらよいかを、従来とは全く別な次元で応えられます。

○クラスの人間関係を向上するにはどうしたらいいか

○クラスの最低点を80点以上にして、平均点を90点以上にするにはどうしたらいいか

○不登校・学級崩壊が何故起こり、どのように解決したらいいか

○特別支援の子どもが通常学級の子どもと定常的に教科学習を行うにはどうしたらいいか

○ADHDの子どもが気にならず、クラス全員が学習に集中するにはどうしたらいいか

○人権教育・同和教育を年間を通して実現するにはどうしたらいいか

 以上のことはほんの一例です。つまり、多くの先生方が頭を悩ます全ての問題を解決できると自負しています。

 上記は、「クラス」レベルの問題です。しかし、学年主任・研究主任・教務主任・教頭・校長レベルの悩みにも応えられるようになりました。

○学校全体として学力向上に取り組みたい。

○学校全体として人権教育・同和教育に取り組みたい。

○教師同士の研修体制を構築したい。

○小規模校特有の人間関係の固定化を打破したい。

 そして、現在は教育長レベルの悩みにも応えられるようになりました。

○小中の連携によって、中1ギャップを解消したい。

○幼小の連携によって、小1ギャップを解消したい。

○中学校区の小学校の小小連携によって、中1ギャップを解消したい。また、それを核として地域コミュニティーを再生したい。

 おそらく、絵空事のように思うのではないでしょうか?しかし、それは実現しており、疑う方には、実現した姿をお見せできます。

 我がゼミはそれを実現する集団です。その集団の中で生活することによって、上記の絵空事のようなことを実現する力量を獲得し、さらに、もっと絵空事のようなことを実現します。