西川研究室での2年間を概括します。

 学部2年の冬にゼミ希望の調査が行われ、決定されます。基本的に希望通りになります。

 ゼミは学年ゼミ、全体ゼミ、個人ゼミの三本立てです。学年ゼミは同じ学年のゼミ生と議論します。最初は、西川研究室の研究成果を読んできて、疑問点を私が解消する形式です。その中で、「不登校」、「いじめ」、「特別支援」等のことを従来と違った見方で理解することが出来るようになります。そして西川研究室が積み上げたことの全貌を理解します。

 全体ゼミでは、上は四十代から二十代のゼミ生全体でワイワイと議論します。その具体的運営は、完全にゼミ生集団に任せている『学び合い』です。

 個人ゼミは、上記では解決しないことに関して、随時、私が個別に相談に乗ります。

 そして、最終的には学会発表をして卒業研究をまとめます。大変ですが、『学び合い』でやると、何故かそれが出来ちゃうのです。

 

 その理由は、出来るような2年間の学びのシステムがあるからです。それを説明します。

 

               学部2年11月~12月

 2年の11月中旬から12月上旬に面談期間があり、12月中旬にはゼミ配属が決まります。

 配属が決まったら、過去の西川ゼミの研究成果を読むことになります。具体的には過去に西川研究室が出版した本を読んで、私と議論します。西川ゼミが現在やっていることは、かなりぶっ飛んだことをやっています。しかし、それらは三十年間の学術研究・実践研究の積み上げに基づくものです。途中経過を知らずにいればぶっ飛んでいますが、途中経過を知れば論理的に正しいことが分かります。過去の本を読むことによって、それを追体験します。最初は読むべき本の指定があります。

 決まって最初にあるのが研究室の忘年会です。西川ゼミを希望される方は、ゼミ生に忘年会の日時を聞いて、バイトのシフトを避けるようにして下さい。

 

             学部2年1月~学部3年5月

 毎週学年ゼミがあり、私と議論します。これによって西川研究室の過去の積み上げを理解します。

 

                学部3年5月

 卒業研究のテーマを決めます。あくまでも仮テーマです。その仮テーマを持って、教育実習に1週間行きます。

 

               学部3年6月~9月

 卒業研究のテーマ・方法を決める期間です。後半には、試行的なデータ収集を行います。そして研究テーマ・方法を決定します。西川ゼミでは、何何しなさいとは言いません。あくまでも本人がやりたいことを見つけ、それをやります。最初は「研究」しようと構えます。しかし、そこから出発した研究はつまらんものです。本人が拘っていること、興味のあることでなければ、本気になって追求しません。私はそれをお手伝いします。

 

              学部3年10月~12月

 本格的なデータ収集に入ります。毎週、収集したデータをもとにして研究の方向性を確認します。

 

            学部3年1月~学部4年8月

 採用試験の勉強に集中します。3月までに、それまでの研究成果を学会論文形式にまとめます。データ収集が未完成なので、結果及び結論は書けません。しかし、目的、方法、そして結果の表は書けます。これが学年全員が書き終わった段階で週1回のゼミが2週間に1回の頻度となります。

 

            学部4年9月~学部4年10月

 データ収集は学部10月で終了します。それまで収集したデータによって学会誌形式の論文を執筆します。11月12月のデータによって最終的な結果の数値は変わりますが、目的、方法、結論はおおよそ書けます。また、結果の表の枠組は書けます。それを書き始めます。臨床教科教育学会の要項作成では、目的、方法、結論で書くことになります。

 

              学部4年11月~12月

 データ収集が終わっているので、結論が決まります。結論が決まれば、それと連動して目的が定まります。これを基に臨床教科教育学会の要項とプレゼンを作成します。

 

                 学部4年1月

 臨床教科教育学会で発表します。また、作成済みの学会誌論文を基に卒業研究を書きます。学会誌論文が書き終わっているので、形式を整えるに過ぎません。また、卒業研究発表会のプレゼンを作成します。

 

               学部4年2月~3月

 2月上旬に発表会で発表します。学会論文形式を完成した段階で卒業研究は完了します。

 

以上が2年間の流れです。