お悩み相談事例

 色々な先生から、メールによる相談を受けています。その先生方の悩みは、おそらく多くの先生に共感できるものと思います。是非、参考にしていただければと存じます。個人特定できないようにして公開します。

 

事例1

 ある中学校に講演に行きました。その際、我々の本を読んで『学び合い』にトライしたが、うまくいかなかったというコメントを中学校技術の先生からいただきました。私は是非メールしてくださいと言ったのですが、気になって、気になってしょうがなかったので、私自身がメールしたのがきっかけです。

 

8月25日

こんにちは上越教育大学の西川です。

我々の学び合いをお試し頂き、有り難うございます。
先生から失敗(?)したとのお話を伺い、それが気になってしょうがありません。
夢にまで出てしまいました(笑)。
先生からのメールを待つまでもなく、こちらからメールしようと思いました。
ご容赦下さい。

いくつかお聞きしたいのですが、
学び合いの授業をする前に、
何故学び合いの授業をするかを、学校教育の目的に位置づけて語ったでしょうか?
先生が、授業の最初に何を語ったかを教えて頂けませんか?

8月28日

○○中学校の○○です。
メールをいただきありがとうございました。

 あの後自分なりに授業内容を振り返ってみましたが、足りない部分がいくつかありました。

  1)なぜ学びあいの授業をするのか、目的が明確になっていない。
   ア、とにかく作品を完成させること。
   イ、そのためには互いに教え合うこと。
   ウ、必要に応じて席を立ってもよいし、コンピューター室等に調べにいってもよい。
     といった旨の話をしただけでした。
 「話し合い、教え合いを手段として使っても良い」といっただけでした。


   また、分からないことは全て教師が教えていました。
   特に電動工具を使用する場合、あるいは初めて使用する工具の場合は当たり前の行為として教師が教えていました。
   安全指導や、「工具を上手く使用するためのコツ」は教科書や資料集だけでは足りないからです。
   なので、人間関係が成立していなくても、それほどマイナスと意識していませんでした。
 
  私語を見つけると、どうしても注意してしまいます。作業学習なので、様子を見ていて、授業に関係ない話が続けば意味がないと思われてしまうからです。
  手元を見ないで話をしていると、ケガふるケースも多いので、話をやめさせてしまいます。

  「失敗した」といったのは、学び合い最初の授業から3時間目の授業でした。
  作品の種類別に5~6のグループに別れていました。
  女子中心の十数名のグループでした。
  授業をスタートして5分後くらいから私語?というか授業に関係ないTVの話を始めました。
  誰か声を出してやめさせるかと思って様子をみていましたが、数名でTV番組の歌を歌い出したので、授業を中断してグループを解散しました。

この授業は、来年度、技術家庭科の○○地区の研究会の発表のための授業です。

 今までのように一斉に同じ作品を製作するのではなく、「各家庭で必要な照明機器を製作する」授業です。
 その種類は細部のオプションを合わせれば十数種類になります。
 従って従来のように一斉に作業方法を説明する授業は成立しません。
 授業の資料を添付して送ります。
 院生の関係者に見ていただければ幸いです。
 
 また、研究会でも少し話をしましたが、
  2)分からないことは教師が教えていた。
   特に電動工具を使用する場合、あるいは初めて使用する工具の場合は当たり前の行為として教師が教えていました。
   安全指導や、「工具を上手く使用するためのコツ」は教科書や資料集だけでは足りないからです。
 
 この部分の指導方法は具体的にどのように進めてゆけばよいのでしょうか?
 作業の方法は動きを説明するので、VTR資料を用意すればよろしいのでしょうか?
 アドバイスいただければと思います。

8月28日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> ○○中学校の○○です。
> メールをいただきありがとうございました。

>  あの後自分なりに授業内容を振り返ってみましたが、足りない部分がいくつかありました。

>   1)なぜ学びあいの授業をするのか、目的が明確になっていない。
>    ア、とにかく作品を完成させること。
>    イ、そのためには互いに教え合うこと。
>    ウ、必要に応じて席を立ってもよいし、コンピューター室等に調べにいってもよい。
>      といった旨の話をしただけでした。
>  「話し合い、教え合いを手段として使っても良い」といっただけでした。


>    また、分からないことは全て教師が教えていました。
>    特に電動工具を使用する場合、あるいは初めて使用する工具の場合は当たり前の行為として教師が教えていました。
>    安全指導や、「工具を上手く使用するためのコツ」は教科書や資料集だけでは足りないからです。
>    なので、人間関係が成立していなくても、それほどマイナスと意識していませんでした。
>  
>   私語を見つけると、どうしても注意してしまいます。作業学習なので、様子を見ていて、授業に関係ない話が続けば意味がないと
>  思われてしまうからです。
>   手元を見ないで話をしていると、ケガふるケースも多いので、話をやめさせてしまいます。

なるほど、もしかしたら、学ぶ意味ということが伝わらず、単に自由にやれ、と理解したのかも知れませんね。


>   「失敗した」といったのは、学び合い最初の授業から3時間目の授業でした。
>   作品の種類別に5~6のグループに別れていました。
>   女子中心の十数名のグループでした。
>   授業をスタートして5分後くらいから私語?というか授業に関係ないTVの話を始めました。
>   誰か声を出してやめさせるかと思って様子をみていましたが、数名でTV番組の歌を歌い出したので、
>  授業を中断してグループを解散しました。

このような場合、そのグループを叱らずに、クラス全員をしかります。
もし「みんな」というキーワードが浸透していたら、
クラス全員が、遊ぶクラスメートにプレッシャーを与えます。

>  
> この授業は、来年度、技術家庭科の○○地区の研究会の発表のための授業で
> す。

>  今までのように一斉に同じ作品を製作するのではなく、「各家庭で必要な照明機器を製作する」授業です。
>  その種類は細部のオプションを合わせれば十数種類になります。
>  従って従来のように一斉に作業方法を説明する授業は成立しません。
>  授業の資料を添付して送ります。
>  院生の関係者に見ていただければ幸いです。
>  
>  また、研究会でも少し話をしましたが、
>   2)分からないことは教師が教えていた。
>    特に電動工具を使用する場合、あるいは初めて使用する工具の場合は当たり前の行為として教師が教えていました。
>    安全指導や、「工具を上手く使用するためのコツ」は教科書や資料集だけでは足りないからです。
>  
>  この部分の指導方法は具体的にどのように進めてゆけばよいのでしょうか?
>  作業の方法は動きを説明するので、VTR資料を用意すればよろしいのでしょうか
> ?
>  アドバイスいただければと思います。

これは私よりも現職者のコメントの方が良いかもしれません。
今しばらくお待ち下さい。

追伸
出来れば、スカイプでやりとり出来ればいいですが、
御校では無理なのでしょうか・

それと、難しいかも知れませんが、
2泊3日、上越教育大学に来られると得るものも多いと思いますよ。
1泊朝食付きで2000円で泊まれる施設が学内にあります。
ただし、土日ではなく、ウイークデーじゃないと難しいという点があります。
ご検討下さい。

8月29日

アドバイスありがとうございます。
明日から技術の授業が再開します。
前後期制の前期なので、9月いっぱいで授業が終了します。
添付資料の用紙を配布し、もう一度授業の目的について指導したいと思います
気づいた点や間違っている点があったらアドバイスいただきたいと思います。

8月29日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

さて、前回のメールを講演会でも紹介した○○さんに見てもらいました。

以下につけます。
疑問があれば、どうぞ!

> >  ○○です。西川先生より○○先生のメールを転送していただき、私なりの考えを述べさせていただきます。
> >  まず、西川先生からも話があったようですが、「学び合い」をするにあたっての目標設定が大切だと思います。私が学び合いを実施するにあたり、生徒に目標を語った時の資料を添付します。ご参考になればと思います。
> >  さて、次に先生の文章から私が感じたことをいくつかの点について述べさせて頂きます。
> > 
> > その1
> > >   私語を見つけると、どうしても注意してしまいます。作業学習なので、様子を見
> > > ていて、授業に関係ない話が続けば意味がないと
> > >  思われてしまうからです。
> > >   手元を見ないで話をしていると、ケガするケースも多いので、話をやめさせてし
> > > まいます。
> >  この部分ですが、手元を見ないで話をしているとケガをするような状況であれば、単元の始めに約束をしておけばいいのではないでしょうか。「仲間とたくさん話しながら活動をしてほしいんだけど、作業中に話をしているとそれが重大なケガにつながることがよくある。申し訳ないが作業中に話さないというのを約束事として徹底してほしい。」とでも言えばいいかな。後は、作業中に目を離してしゃべっているようであれば、「それは約束事として徹底したんじゃなかったかな。」と声をかけるだけで、生徒は話を止めますよね。先生が止めさせる必要がなくなります。私語に関しては以下で。
> > 
> > その2
> > >   「失敗した」といったのは、学び合い最初の授業から3時間目の授業でした。
> > >   作品の種類別に5~6のグループに別れていました。
> > >   女子中心の十数名のグループでした。
> > >   授業をスタートして5分後くらいから私語?というか授業に関係ないTVの話を
> > > 始めました。
> > >   誰か声を出してやめさせるかと思って様子をみていましたが、数名でTV番組の
> > > 歌を歌い出したので、
> > >  授業を中断してグループを解散しました。
> >  これが、「注意してしまう」ことの端的な例かと思います。
> 先生が話を止めさせたのはまあいいとしても、グループを解散したのは残念に思います。(お気持ちはよく分かりますが)
> とりあえず、その子達はこの集団が学習するにふさわしいと思って一緒にいたと考えてみてください。今後、この比較的大きな集団が数人ずつに別れ、より活動に適した集団を形成する可能性があったのではないでしょうか?その可能性の芽を摘んでしまったのかもしれません。
> 私ならこんな言葉をかけると思います。「おー楽しそうに歌ってるなあ。なるほど、そうやって歌っていると素晴らしい作品が出来上がるわけだな。いいよ。先生は結果さえ出してくれれば。」これで、大抵は元の活動に戻ると思います。
> 大切なのは、ちょっと気付かせれば、生徒はちゃんと活動すると信じることだと思います。おそらくは先生の中に「このままにしていたらこの生徒達は一向に活動なんかしない」というお気持ちがあったから、解散になってしまったのではないでしょうか?
> 我々の研究室の考え方の根本であり全ては「子どもは有能である」と本気で信じることです。先生がこの生徒達も実はしっかりとした活動を展開できるのだと信じた上で言葉をかけると、どんな言葉になるか考えてみてください。それが正解だと思います。
> > 
> > その3
> > >   ?分からないことは教師が教えていた。
> > >    特に電動工具を使用する場合、あるいは初めて使用する工具の場合は当たり前
> > > の行為として教師が教えていました。
> > >    安全指導や、「工具を上手く使用するためのコツ」は教科書や資料集だけでは
> > > 足りないからです。
> > >  
> > >  この部分の指導方法は具体的にどのように進めてゆけばよいのでしょうか?
> > >  作業の方法は動きを説明するので、VTR資料を用意すればよろしいのでしょうか
> > > ?
> > >  アドバイスいただければと思います。
> >  どうしても先生が説明しないといけないと言う考えから脱却すると、先生のおっしゃるように例えばVTRという方法が出てくるのかもしれません。OKだと思います。紙に書けることは書いて生徒に渡しておくという方法もあります。写真入りの素敵な資料を先生なら作りそうな気がします。
> >  仮に先生が説明するという方法も我々は全て否定するわけではありません。ただ、その方法が全ての生徒が理解するのに最も適している方法とは考えていないだけです。もちろんいろいろな方法の併用も考えられます。
> > 
> > その4
> > 最後に授業案についてです。
> >  具体的な内容についてはよく分かりませんが、この授業で先生が試みるのは、「学び合い」によって生徒自身の力で作品を完成させるということだと思います。だとすれば、授業の主張点はその一点ですから、先生が見せるべき授業は、先生が何の指示もしないのに、技術室?に入って来たら、さっと自分達で準備し、ワイワイしながら作品を作り出している子どもの姿。そして、ニコニコしながら、「すごいの作るなあ」と感嘆の声は上げても何の指示もしない先生の姿ではないでしょうか?
> >  研究会では「どうして先生は何もしないのにこんなに子どもが動くんだ?」という話題になるでしょう。そこで、先生がニコリと笑って「簡単です。私はこういう目標を語りました。そして、子ども達が有能であることを本気で信じたらこうなりました。」と答えます。完璧ですね。
> >  もし、どうしても添付いただいた内容で授業を構成しなければならない事情があるとしたら、またメールを下さい。一緒に考えましょう。
> > 
> >  とりあえず、私の考えを述べさせていただきました。文中失礼にあたる表現があったかもしれませんが、ご容赦ください。
 

8月30日

アドバイスありがとうございました。

言葉よりもなによりも、「生徒との信頼関係が築けていない」のが一番の問題だろう
なあ。
と思っていた、その肩を「そのとおりだよ」と強く叩かれたような気がします。

あとはとにかくやれるだけやってみます。
ちなみにこの授業は道徳や学活での実践例はあるのでしょうか?
というか学級経営としての実践例はあるのでしょうか?
現時点では学級担任ではないので、あるなしだけを教えていただければと思います。

8月30日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> アドバイスありがとうございました。

> 言葉よりもなによりも、「生徒との信頼関係が築けていない」のが一番の問題だろう
> なあ。
> と思っていた、その肩を「そのとおりだよ」と強く叩かれたような気がします。

> あとはとにかくやれるだけやってみます。

トライして下さい。
何かあれば、サポートしますよ。

> ちなみにこの授業は道徳や学活での実践例はあるのでしょうか?
> というか学級経営としての実践例はあるのでしょうか?
> 現時点では学級担任ではないので、あるなしだけを教えていただければと思います。

研究例としては、ありませんが、我がOBは学級担任をしていますので、やっているはずです。
お知りになりたければ、OBに問い合わせますよ。
ただ、我々の考え方から言えば、
教科学習が本当の道徳や学活を行っていると思っています。
従って、授業で学び合いをしていれば、学活や道徳をことさらやる必要性は無いと感じています。

8月31日

早速やってみました。
結論から言えばとても良い授業となりました。

まず最初に学級全体の目標として「9月30までに全員が作品完成する。」と学級としての目標をかかげ、授業開始時には「ものづくりにコミュニケーション能力は欠かせない」と板書し、生産現場の実例を出しながら説明し、授業に入りました。

自分の中で変わった点をいくつかあげます。

 1 気持ちにゆとりができ、生徒がよく見えるようになった。

 2 私への質問を他の生徒にふることで、私は、時間ができ、聞かれた生徒は気分がいいのでしょうか。
   拒絶するような場面はまず見られませんでした。

 3 生徒をゆったりとした気持ちで見ることができた。

私語をするグループもありましたが、私が「うまくいってる?」と声掛けながら見に行けば、きちんと授業に戻ります。

生徒の授業への取り組みも高まりました。
授業後に感想を聞いたら、
 ・2時間集中できたが8割。
 ・たまに脱線したが、友達に救われたが2割。

でした。
普段怠けがちの生徒も懸命に取り組んでいました。

これからも続けていきます。

8月31日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

うほ~

やれば、簡単でしょ!
よかった、良かった。

> 早速やってみました。
> 結論から言えばとても良い授業となりました。

> まず最初に学級全体の目標として「9月30までに全員が作品完成する。」と学級と
> しての目標をかかげ、
> 授業開始時には「ものづくりにコミュニケーション能力は欠かせない」
>  と板書し、生産現場の実例を出しながら説明し、授業に入りました。

その語りが本当に大事なんですよね!

> 自分の中で変わった点をいくつかあげます。

>  1 気持ちにゆとりができ、生徒がよく見えるようになった。

>  2 私への質問を他の生徒にふることで、私は、時間ができ、聞かれた生徒は気分
> がいいのでしょうか。
>    拒絶するような場面はまず見られませんでした。

>  3 生徒をゆったりとした気持ちで見ることができた。

学び合いが出来た先生が、「はじめて子どもを見ることが出来た!」と言います。

> 私語をするグループもありましたが、私が「うまくいってる?」と声掛けながら見に
> 行けば、きちんと
> 授業に戻ります。

それでも駄目なときは、その子を叱るのではなく、
クラス全体に問いかければOKです。

> 生徒の授業への取り組みも高まりました。
> 授業後に感想を聞いたら、
>  ・2時間集中できたが8割。
>  ・たまに脱線したが、友達に救われたが2割。

> でした。
> 普段怠けがちの生徒も懸命に取り組んでいました。

> これからも続けていきます。

でも、これからも悩みは尽きないと思いますよ。

私にもクラスがあります。
西川研究室という、上は44歳、下は20歳の23名の集団です。
もちろん、学び合いでやっています。
そして、高い成果を上げ続けています。

でも、学び合いを公言している、私自身も自信を失うような場面に出くわします。
でも、私は、その子を何とかしません。
結局、その子の問題ではなく、私の考えが間違っていると考えます。
そして、集団にもう一度語りかけることをします。

その際、重要なのは相談出来る仲間です。
是非、御校で学び合いを、学び合える仲間をつくって下さい。
それが自分に返ってきます。その一番最初は、自分の授業を公開することです。

すんごく、期待していますよ。
悩むようなことがあったら、気軽にメールして下さい。
いつでもサポートしますよ。

9月2日

前回は2年1組の授業の報告をいたしました。
今日は2年2組の報告をします。
このクラスこそ、前回お話した、「生徒が歌を歌ったので、怒鳴りつけて話し合いを中止した」学級です。
夏休みを挟んだとはいえ、やはり生徒の雰囲気は決して良い感じではありませんでした。
そこで、今回は意図的に明るくふるまい、気持ちのなかで「もう一回チャレンジさせてね。」という心構えで取り組むことにしました。
前回同様、「コミュニケーション能力はものづくりに必要な能力である。」と板書し、その根拠について説明しました。
今回は、特に、
「全員で同じ目標に向かうことの意義」
「一人だけ完成しても意味がない。助け合って完成させる事の必然性」
を実例を出して説明しました。
いわゆる体育会の「連帯責任」とは違うということを強調したかったからです。

さて、結論を言えば、今回も成功したと言えると思います。
授業終了後にアンケートを取りました。
 「あなたはどれだけ授業に集中して取り組めましたか?
 という問いで、三択させたところ
ア、100%集中してとりめた・・・24人
イ、80%集中して取り組めた・・・10人
(たまに脱線したが、仲間と声掛け合ってすぐに授業に集中した)
ウ、50%しか集中できなかった。・・0人
となりました。

今日新たに発見した点を箇条書きにまとめます。

1,授業効率がとても良くなる。
 ア、半田付けで失敗した時、半田を吸い取ってやり直すための「半田吸い取り器の使い方」
 イ、完成した作品を検査するための回路計の使いかた
 ウ、樹脂製品を接合するホットボンド
 エ、可変抵抗ダイヤルを組み込むための穴の開け方。
 オ、感電防止のための樹脂板を取り付けるための仮固定のしかた。
 カ、アクリル板をヒーターで曲げる方法
 キ、木片を切断するための糸のこ盤の使い方
これら全て、生徒に作業させながら、たった2時間で上記項目を全て学習させることができました。
今までは、全て授業前に教師が一斉授業で教えていた内容です。
作業させずに4時間講義をしなければならない学習内容です。

具体的に何をやったかというと、ア~キの道具を用意し、それぞれヒントをだしながら生徒に使用方法を考えさせたのです。
今までは「教えなければできない」という固定観念にとらわれていました。
それを、「ヒントさえ出せば、子供は自力で問題解決できる」という発想に切り替えました。
順番にヒントをだしながらそれぞれ代表というか最初に「教えて下さい。」と言ってきた生徒にヒントを出しながら順番に声がけしていきました。
もちろん他の生徒は黙々と自分の作品製作に取りかかっています。
生徒はすごいですね。ヒントだけで全て使用方法を身につけていきました。
以後は簡単でした。
ア~キの同じ質問が出れば、最初に課題をクリアした生徒に聞くように指示すればいいだけです。
すると不思議なことに人間関係が成立してなさそうな者同士でも聞かれればきちんと教えてあげるんですね。男女の堺なく、教えあっていました。

2,生徒は自力で課題を解決する。
 上記の「イ、完成した作品を検査するための回路計の使いかた」いままできちんと教えられなくて困っていました。
 検査には回路計を使います。内部に電源があって、回路に電気を流すことができるので、電圧、電流の測定の他に、
  ア、断線検査
  イ、絶縁検査
  ウ、ショート検査
  エ、導通検査
 という優れものの装置です。
 ただ、優れているが故に、教えるべき事が多すぎで、一斉授業では時間がかかり過ぎてしまい、その機能全てをきちんと教えることができませんでした。
 今回、すでに作品が完成した生徒が10名ほどいました。
 その内の4名が回路計を持っていきました。
 一年生の時に簡略的に教えてはいました。それは「メーターが動いたら電気が流れている。(アの項目)だけでした。
今回は、ア、ウ、エ、の3つの検査をやらなければなりません。「メーターが動いたら」だけでは説明できないレベルです。
2人の生徒がチャレンジしました。過去の評価で言えば、5段階の2~3の能力の生徒です。
最初は無理かなと思いました。しかし、彼らは教科書を読み(過去にはそんな事しなかったぞ!)
2人で相談し、3つの検査をきちんとやり遂げたのです。その時の嬉しそうな顔!本気で「おまえ達すごいぞ!」と褒めました。
あとは簡単。2人の名前を板書しておくだけです。「検査の仕方が判らない。」という生徒がでたら、
「この2人に聞け!」で終わりでした。この2人はとても丁寧に教えていました。

3,授業が楽しい。
 とにかく心にゆとりができます。
 なので、教師がリラックスして授業に望めるので、あたたかく生徒に接することができるのです。
 授業開始して間もない頃、ある女の子が「オ、感電防止のための樹脂板を取り付けるための仮固定のしかた。」を見つけました。
 正直いえば、「教えても教えなくてもいいけど、知っていた方がいい」内容でした。
 早速大きな声で褒めました。「すごい!!よく発見したね。」するとグループのみんなが一斉に拍手をしました。
 このグループこそ、歌を歌っていたグループで、以後、このグループはずっと集中して授業に取り組んでいました。

考察
 1 この理論は教師と生徒の信頼関係を高める。
  夏休みの講義を聴いて、ある先生が「テレビショッピングみたいだね」といいました。
  私も思いました。「こんな簡単に良いことばかりではないと。」
  この授業に取り組むに当たって大きな不安が一つありました。それは「生徒との信頼関係が無ければこの授業は成立しないのではないか?」
  ということでした。
  でも、それは逆でした。「この授業を実践すれば、生徒との信頼関係を高めることができる。」だったのです。
  こんな話を聞いたことがあります。開高健氏のエッセーで、「ニューヨークでストリートギャングに襲われたら、嘘でもいいから自分がどこへ行きたいのか道順を聞きなさい。」という論でした。
「全ての人は、頼りにされれば悪い気持ちにはならない」ということでした。
 ニューヨークのギャングでさえも「期待を裏切れない」ですから、ましてや日本の善良な子供達は効果抜群のはずです。これは自分に自信のない、成績の下位者こそ効果があると思います。
 それこそが、今の教育問題の根本を解決する一つの道標となる可能性があるのではないでしょうか?

2,新採用やキャリアのない先生がこの授業を実践できるのか?
  今回うまくいった前提として、「ヒントの与え方」があったかなと思います。
  この、ヒントの与え方は申し訳ないけど、今まで四苦八苦してきたキャリアがあって初めて出せると思います。
  経験のない先生が、この授業に取り組むとどうなるのでしょうか?
  非常に興味深いテーマです。
  というのは、もし、私が数学や英語など、過去に経験のない授業をやるとなったら、やはり同じように授業が成功するのかなあ?とおもったからです。

3,作品が早く終わった生徒の問題が解決できます。
  遅い生徒よりも、実は早く終わった生徒の指導の方が大変でした。
  今までは、さらに応用的な課題を与えてはいたのですが、生徒の素直な心情として「早くおわったのに、何でそんな面倒なことを。がんばり損じゃないか?」といった実態がありました。
  でも、「互いに教え合うことが当たり前」となれば、早く完成した生徒は、「指導者となれる」優位感を持つことができます。以前も早く完成した生徒に「指導者」のバッチを渡して、教え合うような授業をしたことがあったのですが、互いに遠慮しあうことが多く、それほど効果をあげることができませんでした。
  今回は「教えることが当たり前」となっているので、互いに構えることなく教え合うことができると思います。

9月3日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> ○○中○○です。
> 8月31日の授業報告を添付ファイルにて送ります。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
謹んで拝見します。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

前回は2年1組の授業の報告をいたしました。
今日は2年2組の報告をします。
このクラスこそ、前回お話した、「生徒が歌を歌ったので、怒鳴りつけて話し合いを中止した」学級です。
夏休みを挟んだとはいえ、やはり生徒の雰囲気は決して良い感じではありませんでした。
そこで、今回は意図的に明るくふるまい、気持ちのなかで「もう一回チャレンジさせてね。」という心構えで取り組むことにしました。
前回同様、「コミュニケーション能力はものづくりに必要な能力である。」と板書し、その根拠について説明しました。
今回は、特に、
「全員で同じ目標に向かうことの意義」
「一人だけ完成しても意味がない。助け合って完成させる事の必然性」
を実例を出して説明しました。
いわゆる体育会の「連帯責任」とは違うということを強調したかったからです。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

我々は、教材や指導法をあれこれ考えることは重要ではないと考える一方、
ここでどう語るか(即ち、自分が学校教育をどのようにとらえるか)が重要だと考えています。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
さて、結論を言えば、今回も成功したと言えると思います。
授業終了後にアンケートを取りました。
 「あなたはどれだけ授業に集中して取り組めましたか?
 という問いで、三択させたところ
ア、100%集中してとりめた・・・24人
イ、80%集中して取り組めた・・・10人
(たまに脱線したが、仲間と声掛け合ってすぐに授業に集中した)
ウ、50%しか集中できなかった。・・0人
となりました。

今日新たに発見した点を箇条書きにまとめます。

1,授業効率がとても良くなる。
 ア、半田付けで失敗した時、半田を吸い取ってやり直すための「半田吸い取り器の使い方」
 イ、完成した作品を検査するための回路計の使いかた
 ウ、樹脂製品を接合するホットボンド
 エ、可変抵抗ダイヤルを組み込むための穴の開け方。
 オ、感電防止のための樹脂板を取り付けるための仮固定のしかた。
 カ、アクリル板をヒーターで曲げる方法
 キ、木片を切断するための糸のこ盤の使い方
これら全て、生徒に作業させながら、たった2時間で上記項目を全て学習させることができました。
今までは、全て授業前に教師が一斉授業で教えていた内容です。
作業させずに4時間講義をしなければならない学習内容です。

具体的に何をやったかというと、ア~キの道具を用意し、それぞれヒントをだしながら生徒に使用方法を考えさせたのです。
今までは「教えなければできない」という固定観念にとらわれていました。
それを、「ヒントさえ出せば、子供は自力で問題解決できる」という発想に切り替えました。
順番にヒントをだしながらそれぞれ代表というか最初に「教えて下さい。」と言ってきた生徒にヒントを出しながら順番に声がけしていきました。
もちろん他の生徒は黙々と自分の作品製作に取りかかっています。
生徒はすごいですね。ヒントだけで全て使用方法を身につけていきました。
以後は簡単でした。
ア~キの同じ質問が出れば、最初に課題をクリアした生徒に聞くように指示すればいいだけです。
すると不思議なことに人間関係が成立してなさそうな者同士でも聞かれればきちんと教えてあげるんですね。男女の堺なく、教えあっていました。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
講演会で学び合いでは3分の2の時間で出来る、うまくいけば半数になるという、私の言ったことを実感されたでしょ!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

2,生徒は自力で課題を解決する。
 上記の「イ、完成した作品を検査するための回路計の使いかた」いままできちんと教えられなくて困っていました。
 検査には回路計を使います。内部に電源があって、回路に電気を流すことができるので、電圧、電流の測定の他に、
  ア、断線検査
  イ、絶縁検査
  ウ、ショート検査
  エ、導通検査
 という優れものの装置です。
 ただ、優れているが故に、教えるべき事が多すぎで、一斉授業では時間がかかり過ぎてしまい、その機能全てをきちんと教えることができませんでした。
 今回、すでに作品が完成した生徒が10名ほどいました。
 その内の4名が回路計を持っていきました。
 一年生の時に簡略的に教えてはいました。それは「メーターが動いたら電気が流れている。(アの項目)だけでした。
今回は、ア、ウ、エ、の3つの検査をやらなければなりません。「メーターが動いたら」だけでは説明できないレベルです。
2人の生徒がチャレンジしました。過去の評価で言えば、5段階の2~3の能力の生徒です。
最初は無理かなと思いました。しかし、彼らは教科書を読み(過去にはそんな事しなかったぞ!)
2人で相談し、3つの検査をきちんとやり遂げたのです。その時の嬉しそうな顔!本気で「おまえ達すごいぞ!」と褒めました。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「お前達すごいぞ!」という時の気持ちは、褒めた、とは違うものだったと思います。
きっと感激・感謝だったはずです。
感激感謝は、子どもたちに勇気を与えてくれます。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
あとは簡単。2人の名前を板書しておくだけです。「検査の仕方が判らない。」という生徒がでたら、
「この2人に聞け!」で終わりでした。この2人はとても丁寧に教えていました。

3,授業が楽しい。
 とにかく心にゆとりができます。
 なので、教師がリラックスして授業に望めるので、あたたかく生徒に接することができるのです。
 授業開始して間もない頃、ある女の子が「オ、感電防止のための樹脂板を取り付けるための仮固定のしかた。」を見つけました。
 正直いえば、「教えても教えなくてもいいけど、知っていた方がいい」内容でした。
 早速大きな声で褒めました。「すごい!!よく発見したね。」するとグループのみんなが一斉に拍手をしました。
 このグループこそ、歌を歌っていたグループで、以後、このグループはずっと集中して授業に取り組んでいました。

考察
 1 この理論は教師と生徒の信頼関係を高める。
  夏休みの講義を聴いて、ある先生が「テレビショッピングみたいだね」といいました。
  私も思いました。「こんな簡単に良いことばかりではないと。」
  この授業に取り組むに当たって大きな不安が一つありました。それは「生徒との信頼関係が無ければこの授業は成立しないのではないか?」
  ということでした。
  でも、それは逆でした。「この授業を実践すれば、生徒との信頼関係を高めることができる。」だったのです。
  こんな話を聞いたことがあります。開高健氏のエッセーで、「ニューヨークでストリートギャングに襲われたら、嘘でもいいから自分がどこへ行きたいのか道順を聞きなさい。」という論でした。
「全ての人は、頼りにされれば悪い気持ちにはならない」ということでした。
 ニューヨークのギャングでさえも「期待を裏切れない」ですから、ましてや日本の善良な子供達は効果抜群のはずです。これは自分に自信のない、成績の下位者こそ効果があると思います。
 それこそが、今の教育問題の根本を解決する一つの道標となる可能性があるのではないでしょうか?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
でしょ、でしょ
私も、講演のあとに聞く典型的な質問の一つに、
「ひどいクラスだったら出来ないのでは?」という質問です。
私は「おそらく出来るでしょう。でも、本当に出来るか、出来ないかは分かりません。でも、そのひどいクラスをどうするつもりですか?そのひどいクラスを何とかするには、学び合いしかありません」と語ります。この気持ち、今は分かるでしょ!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

2,新採用やキャリアのない先生がこの授業を実践できるのか?
  今回うまくいった前提として、「ヒントの与え方」があったかなと思います。
  この、ヒントの与え方は申し訳ないけど、今まで四苦八苦してきたキャリアがあって初めて出せると思います。
  経験のない先生が、この授業に取り組むとどうなるのでしょうか?
  非常に興味深いテーマです。
  というのは、もし、私が数学や英語など、過去に経験のない授業をやるとなったら、やはり同じように授業が成功するのかなあ?とおもったからです。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
出来ますよ。
もう少し子どもを信じられたら、ヒントを与えずに、待ってられます。
そうすれば、ヒント無しでも子どもたちが課題を解決する姿を発見するでしょう。
でも、心配だったら、ヒントを書いておいて子どもたちに渡すんです。
そうすれば、出来る子どもは、それを見ます。
その後の行動を見るんです。
そのヒントが有効だったら使います。
無効だったら捨てます。

我々は過去に、何度もそのようなことを繰り返しました。
結果として、そんなヒント無しで素晴らしいことを達成する子どもたちに感激・感謝します。
そして、そんな無用なヒントに拘っていた自分を笑います。
これって、実に爽快ですよ!
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3,作品が早く終わった生徒の問題が解決できます。
  遅い生徒よりも、実は早く終わった生徒の指導の方が大変でした。
  今までは、さらに応用的な課題を与えてはいたのですが、生徒の素直な心情として「早くおわったのに、何でそんな面倒なことを。がんばり損じゃないか?」といった実態がありました。
  でも、「互いに教え合うことが当たり前」となれば、早く完成した生徒は、「指導者となれる」優位感を持つことができます。以前も早く完成した生徒に「指導者」のバッチを渡して、教え合うような授業をしたことがあったのですが、互いに遠慮しあうことが多く、それほど効果をあげることができませんでした。
  今回は「教えることが当たり前」となっているので、互いに構えることなく教え合うことができると思います。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
よい方向に進んでいますね!
これに関連して一つ書きます。
『あとは簡単。2人の名前を板書しておくだけです。「検査の仕方が判らない。」という生徒がでたら、「この2人に聞け!」で終わりでした。この2人はとても丁寧に教えていました。』と書かれていますが、これは良いことではありません。
どうすればいいか、それは「お前ら凄いな~」と大げさに褒めれば良いんです。
もしくは「お前らは、俺より良い先生だ、俺は失業だよ・・・アハハハハ」とやりゃいいんです。
それは心から感激・感謝すればいいんです。
大事な考えです、よく理解してください。
我々は方法を決めません。
方法は当人が選択すべきだと考えます。
それ故、ヒントは紙に書いて渡します。
このことによって、各人は使うか使わないかを選択出来ます。
同様に、だれに教えて貰うかは、当人が選択すべきだと思います。
それ故、「この二人に聞け」と指定することは良いことだとは思いません。
この二人は良い教え手だよ、という情報を広げることは良いことです。

たった1時間で、こんなに感激・感謝させてくれたんですから、これからとても楽しみですよね!
これからもっと感激・感謝してください。
そのためには、もっと子どもを信じて、もっと子どもに高い課題を求めるんです。
教師の仕事は方法を伝えることではありません。

子どもに課題課題を与え、それをやる気にさせ、やる気になった子どもが出来る環境を整え、そして、厳しく評価することです。
もっともっと自慢話を私にメールしてくださいね。
また、気になることがあったら、気軽にメールしてください。

なお、「テレビショッピングみたいだね」と仰った先生に伝えるのは、とっても面白いですよ。
だって、今、私はドキドキ・ワクワクして感激・感謝しています。
子どもに感激・感謝しますが、それ以上に、学び合いの凄さを知って、さらに強力にしてくれる先生(つまり○○さん)に私は感激・感謝しています。
すんごく期待しています!

9月8日

○○中学校○○です。
アドバイスいろいろありがとうございました。
11月2日に来校されるということですので、それまで実践をすすめていきたいと思
います。
その時には前期の授業が終了しているはずです。
良き成果が報告できればと思っています。

11月2日に来校し、その先生の授業を見ました。ゆったりと『学び合い』を楽しんでいることが分かります。その後、二人で昼飯を食べながら盛り上がって話し合いました。

3月28日

○○中学校の○○です。

1年生の技術の授業で10月から半年間、学びあい、支えあいの学習を進めてきました。

 学習内容は木材加工で、100センチ×20センチの板材から、自分が設計した製品を製作する学習です。

 木材の加工がほとんど初めての生徒ばかりです。なので、1年生では、加工の段取りや工具の使用方法の習得を主な学習の目的に設定しました。

全員で同じ作業を行う場合が多かったので、一斉学習の場面が多くなりました。

最初は、「どこに座ってもいいよ。誰と一緒にやってもいいよ。」全くのフリーで行いました。4クラス中2クラスはうまくいきましたが、2クラスはうまくいきませんでした。

下記のような理由が考えられました。

     人間関係を成立させられない生徒数名が、技術の授業中完全に孤立してしまう。

・学校や授業、教師に反発して授業をまともにうけられない生徒が数名おり、その生徒が好き放題に動きまわる。こんな行為に同調する生徒こそ少なかったが、マイナスの行動を支持し、共感している生徒が学級の半数。

     授業の目的よりも個人的な人間関係(私語、あそび)が優先。

なので、班単位での学習を中心とし、下記のようなルールを徹底することにしました。

現在の1年生の授業方針

  ①2月28日までにクラス全員の作品が完成!!

  助け合い、話し合い学習を班単位で授業を進める。

    *組み立て→パイプ取り付け→ニス塗りまで。*3月からは電気の勉強。

 

 ②具体的な授業のルール

  ア、分からない事は先生か、同じグループのメンバーに相談する。

  イ、グループのメンバーが分からない時は、教科書を調べる

  ウ、教科書にも載っていない時は、先生に相談する。

  エ、準備や片づけはみんなでやる。自分の分とか人のぶんとか関係ない。

  オ、何もしていない人がいたら声をかけ、手伝う。

  カ、早く完成した人は、終わっていない人を手伝う。

  キ、授業に関係のない話をしている人は、授業に関わるように誘導する。

  ク、人の作品には手を出さない。ただし、教えてあげるために手をだすのはOK!

  ケ、危険な作業をしていたら、まず止める。それから安全な作業方法を確認する。

 

 ③大切にしてほしいことは2年と同じ。

  関心意欲の評価の観点は、「集団に対する協力性」を重視します。

以上です。

3月に授業が終了しました。結果として、下記の成果が考えられます。

 1)全員の作品が完成しました。

  この場合の完成とは、「実用が可能な作品ができた」ということで、評定が5段階の3以上のレベルでした。

 2)集団を意識する生徒が増えました。

  「自分一人だけ完成しても意味がない」という自覚を持った生徒が増えてきました。

  また、作品の製作に取り組まない生徒も減ってきました。

 3)部活とリンクさせながら、同じ方針で指導できた。

  「分からない事は→分かる人に聞く」

  「分からない人がいたら→分かる人が教えてあげる」

 

また、下記のような課題もでました。

 1)当初はグループ単位で授業を進めるルールを設定していた。

  (班員全員、のこぎり引きが終了した段階で、次のかんながけに進める)しかし、そのルールがだんだん曖昧になってきて、最後は全くフリーの状態になった。

  ただ、現時点で考えれば、そのグループ別進度という設定自体に無理があるように思われる。最初からフリーの状態、つまり「誰でもいいよ。」「どこへ行ってもいいよ。」で徹底すべきと思われる。

 

2)学び合いの必要性をより高める。

 作業後半、特に塗装工程では、生徒のグループ化が「高めあい」の方向ではなく、世間話、私語に流れてしまった。

 授業の「高め合い」の必然性を子供に理解させるための手だてを工夫すべき。

 それは話の内容というよりも根気強く問いかけることなのでしょうね。

 

3)放課後作業を行う生徒が多かった。

 授業だけで時間が足りず、放課後まで作業しなければならない生徒が多くでてしまいました。授業内だけで作業を終わらせられる計画だったので、残念です。

最後に

 「学び合い、高め合い」の授業を自分で取り組み、他の先生の授業を見せてもらいました。下記のような結論がでました。

「西川先生の報告するような成果を出したければ、西川先生の提案するような、思い切った授業改革をしないと意味がない。小集団やスモールステップは、生徒の活動を阻害するばかりでマイナスとなる。」

 これでよろしいのでしょうか?

先生の授業を「誰もが食べたくなる正統醤油味ラーメン」だとすれば、やはり正しい材料で、正しい手順で料理しなければ目的とする美味しいラーメンはできないのでしょうね。

材料の一部だけとりいれようとしたり、似たような考え方だけマネしようとしても、似たようなものはできてもそれがラーメンでなくうどんになったり、ラーメンができても美味しくなくて、子供は食べたくなくなるのでしょう。

そういう意味では、学校全体で、あるいは教科部全体で、先生の手順を学ぶ意気込みが必要なのかなと思いました。

ただ、相当の覚悟が必要なのも確かですね。

私は来年○○エリアの研究発表会があります。

通常の授業以上の課題と成果を出すためには、先生の論を実践するしか道がありませんでした。

しかし、他の教科はなかなかそこまで踏み込むのは苦しいのでしょうか? 

引き続き「学び合い、支え合いの学習」を技術の授業に導入していきます。

御指導よろしくお願いします。

3月28日

『最後に
 「学び合い、高め合い」の授業を自分で取り組み、他の先生の授業を見せてもらいました。下記のような結論がでました。
「西川先生の報告するような成果を出したければ、西川先生の提案するような、思い切った授業改革をしないと意味がない。小集団やスモールステップは、生徒の活動を阻害するばかりでマイナスとなる。」
 これでよろしいのでしょうか?』

と、あります。
笑い出しました。大笑い!
だって、○○さんはもう既に分かっているんですから。
あと、背中を押して欲しいんでしょ!
一度、上越に来てください。
○○さんがなやんでいることを、謎解きしましょう。
でも、既に分かっていることの確認でしょうけど。
来年は、初回から中学校で学ぶ意味を1時間方って欲しいと願っています。
まっています。

 

事例2

 八幡小学校の記事が全国の新聞に掲載されました。それをきっかけに試みられた小学校の先生です。

 

3月18日

西川先生初めまして ○○の○○と申します。
昨日の新聞の特集(八幡小)で「学び合い」のことを初めて知りました。
今年度、一斉指導で厳しく子ども達を指導してきました。素直に従ってはいますが、
意欲もほとんど感じられないし成績も厳しく指導している割には、伸びていません。
以前の子ども達に比べると打たれ弱いというか厳しくすると逆効果のような気がします。 

指導の仕方を転換しなければと思っていた時にこの記事を読んで吃驚しています。
新聞には、今推し進められている習熟度別学習や少人数では、伸びなかった子供達が、 

学び合うことを通して友達関係が良くなり学力も伸びたことが書かれていました。もしそれが、本当であるならば素晴らしい方法だと思います。

3月18日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生初めまして ○○の○○と申します。

はじめまして

> 昨日の新聞の特集(八幡小)で「学び合い」のことを初めて知りました。
> 今年度、一斉指導で厳しく子ども達を指導してきました。素直に従ってはいますが、
> 意欲もほとんど感じられないし成績も厳しく指導している割には、伸びていません。
> 以前の子ども達に比べると打たれ弱いというか厳しくすると逆効果のような気がします。 

> 指導の仕方を転換しなければと思っていた時にこの記事を読んで吃驚しています。
> 新聞には、今推し進められている習熟度別学習や少人数では、伸びなかった子供達が、  
> 学び合うことを通して友達関係が良くなり学力も伸びたことが書かれていました。もしそれが、
> 本当であるならば素晴らしい方法だと思います。

その事に関しては、『「勉強しなさい!」を言わない授業』(東洋館出版)に書いております。
ご参照いただければ幸いです。

学び合いを取り入れるためだったら、サポートの労は惜しみません。
どうぞ、要求して下しさい。

 ところで、昨日の新聞の特集とは、どこの新聞ですか?
 教えてください。

3月18日

西川先生 早速お返事ありがとうございました。
その記事が載っていたのは、地元の○○です。
一面の特集記事ですのでほとんどの方が読まれたことと思います。
「勉強しなさいを言わない授業」は、昨日ネットですぐ注文しました。
届くのが楽しみです。

3月18日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

早速の返事で驚いております。

> 西川先生 早速お返事ありがとうございました。
> その記事が載っていたのは、地元の○○です。
> 一面の特集記事ですのでほとんどの方が読まれたことと思います。

もし、可能ならば、それをスキャナーで読み取って、ファイルで送っていただけませんか?
新潟では手に入りそうもないので。
それがかなわないならば、コピーを郵送で送っていただけませんか?

> 「勉強しなさいを言わない授業」は、昨日ネットですぐ注文しました。
> 届くのが楽しみです。

 本というのは、数年前の成果です。
 現在の我々は、それ以上のことを実現しています。
 簡単に箇条書きします。

 勉強しなさい、で記載した以上に学力が向上した事例を分析しています。
 特別支援に決定的に有効であることを証明する事例を分析しています。
 1ヶ月半、子どもに授業を任せました。中盤以降、教師の発言は「もうそろそろ、やめろ」という数秒のみです。が、平均点が20点上がりました。
 小学校6年の子ども達が指導要領、教師用指導書を読み解き、自ら評価項目を設定し、自己評価しました。成績も上がりました。

 どうです、面白いでしょ!

3月18日

>
> もし、可能ならば、それをスキャナーで読み取って、ファイルで送っていただけませんか?
> 新潟では手に入りそうもないので。
> それがかなわないならば、コピーを郵送で送っていただけませんか?

家のスキャナ-は、壊れて使えませんので郵送で送りたいと思います。


>  勉強しなさい、で記載した以上に学力が向上した事例を分析しています。
>  特別支援に決定的に有効であることを証明する事例を分析しています。

特別支援については、うちの小学校でもどう取り組んだらいいか戦々恐々しています。 



>  1ヶ月半、子どもに授業を任せました。中盤以降、教師の発言は「もうそろそろ、やめろ」という数秒のみです。が、平均点が20点上がりました。
>  小学校6年の子ども達が指導要領、教師用指導書を読み解き、自ら評価項目を設定し、自己評価しました。成績も上がりました。

これは特別能力の高い子供達ですか。それともごく普通の子供達ですか。

>  どうです、面白いでしょ!

3月18日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> >
> > もし、可能ならば、それをスキャナーで読み取って、ファイルで送っていただけませんか?
> > 新潟では手に入りそうもないので。
> > それがかなわないならば、コピーを郵送で送っていただけませんか?

> 家のスキャナ-は、壊れて使えませんので郵送で送りたいと思います。

ありがとうございます。

> >  勉強しなさい、で記載した以上に学力が向上した事例を分析しています。
> >  特別支援に決定的に有効であることを証明する事例を分析しています。

> 特別支援については、うちの小学校でもどう取り組んだらいいか戦々恐々しています。 

教師は医者ではありません。
だから治せません。
しかし、学び合いによって目立たなくすることは絶対に可能です。
それに、特別支援の必要な子の圧倒的大多数は、単に学校教育にフィットできない子どもです。
だから、学び合いによって自由選択すると、普通の子どもになります。> 

> >  1ヶ月半、子どもに授業を任せました。中盤以降、教師の発言は「もうそろそろ、やめろ」という数秒のみです。が、平均点が20点上がりました。
> >  小学校6年の子ども達が指導要領、教師用指導書を読み解き、自ら評価項目を設定し、自己評価しました。成績も上がりました。

> これは特別能力の高い子供達ですか。それともごく普通の子供達ですか。

はい、ごくごく普通の公立学校での実践です。
なお、前者の1ヶ月半の事例の場合は、その地区で必ずしも成績の高くない中学校の事例です。

3月19日

新聞の記事送りました。週末には着くと思います。
地元の新聞は、○○と○○があります。
その2社とも特集を出していました。
>>
> 教師は医者ではありません。
> だから治せません。
> しかし、学び合いによって目立たなくすることは絶対に可能です。
> それに、特別支援の必要な子の圧倒的大多数は、単に学校教育にフィットできない子どもです。
> だから、学び合いによって自由選択すると、普通の子どもになります。>

今、緊急の課題である特別支援教育にも有効と言うのはとても興味があります。

>> >  1ヶ月半、子どもに授業を任せました。中盤以降、教師の発言は「もうそろそろ、やめろ」という数秒のみです。が、平均点が20点上がりました。
>> >  小学校6年の子ども達が指導要領、教師用指導書を読み解き、自ら評価項目を設定し、自己評価しました。成績も上がりました。
>>
>> これは特別能力の高い子供達ですか。それともごく普通の子供達ですか。
>
> はい、ごくごく普通の公立学校での実践です。
> なお、前者の1ヶ月半の事例の場合は、その地区で必ずしも成績の高くない中学校の事例です。 


凄いですね。でも、何か子供達だけで自主的に学ぶというと私には、総合的学習の時間の悪いイメ-ジがあるのです。
それが、この「学び合い」では凄い効果を上げているというのが正直言って信じがたいです。
もしそうであるならば今までの実践を180度転換する価値があると思います。
基礎的な知識は、一斉で指導するのですか?

3月19日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 新聞の記事送りました。週末には着くと思います。
> 地元の新聞は、○○と○○があります。
> その2社とも特集を出していました。

ありがとうございます。
楽しみにしております。

> >>
> > 教師は医者ではありません。
> > だから治せません。
> > しかし、学び合いによって目立たなくすることは絶対に可能です。
> > それに、特別支援の必要な子の圧倒的大多数は、単に学校教育にフィットできない子どもです。
> > だから、学び合いによって自由選択すると、普通の子どもになります。>

> 今、緊急の課題である特別支援教育にも有効と言うのはとても興味があります。

はい。
次の本は「学び合う国語」です。
その次の本が特別支援の本です。


> >> >  1ヶ月半、子どもに授業を任せました。中盤以降、教師の発言は「もうそろそろ、やめろ」という数秒のみです。が、平均点が20点上がりました。
> >> >  小学校6年の子ども達が指導要領、教師用指導書を読み解き、自ら評価項目を設定し、自己評価しました。成績も上がりました。
> >>
> >> これは特別能力の高い子供達ですか。それともごく普通の子供達ですか。
> >
> > はい、ごくごく普通の公立学校での実践です。
> > なお、前者の1ヶ月半の事例の場合は、その地区で必ずしも成績の高くない中学校の事例です。 
> > 

> 凄いですね。でも、何か子供達だけで自主的に学ぶというと私には、総合的学習の時間の悪いイメ-ジがあるのです。
> それが、この「学び合い」では凄い効果を上げているというのが正直言って信じがたいです。
> もしそうであるならば今までの実践を180度転換する価値があると思います。

これに関しては、
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20070319
にメモりました。

> 基礎的な知識は、一斉で指導するのですか。

いいえ、一斉学習は全くしません。
だって、基礎的な知識を持っている子どもはクラスに4,5人はいるはずです。
学び合いが成立したら、その子が広げます。
そのような子どもがいないような事例(極めて希ですが)の場合は、紙に書いて渡します。
教師が教えなくても、その紙を理解できる子どもは4,5人はいるはずです。
そうなれば同じです。
教師が教えなくても、その紙を理解できる子どもがいないほど高度である場合、
教師が教えてもクラスの過半数は分かりません。
そして、日本人がすべからく学ぶことを規定している指導要領には、そんなものは含まれていません。

3月22日

こんにちは上越教育大学の西川です。

届きました。
新聞有り難うございます。
励みになります!

4月10日

  西川先生、こんばんは 以前に○○からメ-ルした○○です。
「学び合い」に取り組んでみようと思っています。
そこで初歩的な質問があります。「学び合い」での目標の立て方について教えて下さい。 

今回は、小学校3年の担任です。
国語の単元 きつつきの商売(物語文)
  単元目標 「場面」について知り、2つの場面の様子を想像しながら読んだり、様子が分かるように声に出して読んだりする。 
         音読発表会に来て欲しい人に、招待状を書く。

算数の単元 足し算と引き算
  単元目標 2年生までの学習をもとにして、3位数の加法及び減法の計算の仕方を考え出すことができるようにする。
         3位数の加法及び減法の計算が確実にできるようにし、それらを適切に用いることができるようにする。

となっていますが子供達に伝える時、具体的にどんな目標を立てたらよろしいのでしょうか。
  もしよろしければアドバイスお願いします。 

4月10日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

その節は有り難うございました。

謹んで以下の問いに関して私の「応え」を書かせていただきます。
でも、生納得しないでくださいよ!
納得できなかったら、どんどんメールしてください。
絶対、真面目にメールします!

まず、単元毎の目標以前に、学校教育は何のためにあるのかをちゃんと話す必要があります。
例えば、HPの「学びの殿堂」の神崎さんの最初の実践を見てください。
もちろん、語り口はその先生の語り口で結構です。
「学び合う教室」の第1章にポイントは書きましたが、
子ども達に何故学ぶのかをちゃんと語る必要があります。
これを省略すると、毎単元毎に詳細な目標を語る必要があります。
これをちゃんと語ると、「どうするべきだと思う」とニコニコしながら子どもに語りかけると子どもが解決します。

次に、上記と関わることですが、
どんな課題でも、「みんなが理解でき、みんなが成長できる」ということが基本にあらねばなりません。

>   西川先生、こんばんは 以前に○○からメ-ルした○○です。
> 「学び合い」に取り組んでみようと思っています。
> そこで初歩的な質問があります。「学び合い」での目標の立て方について教えて下さい。 

従って、
  単元目標 「場面」について知り、2つの場面の様子を想像しながら読んだり、様子が分かるように               
> 声に出して読んだりすることが「みんな出来る」。 
>          音読発表会に来て欲しい人に、招待状を「みんな」書く。

であらねばなりません。
そうしないと、出来ない子どもが2、3人生まれます。
それをほっとくと、クラスの学び合いが崩壊します。

さて、


> 今回は、小学校3年の担任です。
> 国語の単元 きつつきの商売(物語文)
>   単元目標 「場面」について知り、2つの場面の様子を想像しながら読んだり、様子が分かるように               
> 声に出して読んだりする。 
>          音読発表会に来て欲しい人に、招待状を書く。

ですが、それで満足できるか、否かを心の中で自問してください。
子ども達がそれを達成したとき、それで満足できるかを自問してください。

もし、でも、「○○ができなかったら、だめだよな」と思うなら、目標になっていません。

とりあえず、このあたりで。
レスお待ちしております。

4月13日

西川先生 こんばんは
先日は、ご丁寧な返事ありがとうございました。
早速質問があります。

「学び合い」の実践を始めて3日が経ちました。
先生に言われたように「学校教育は何のためにあるのか」を
話しました。子供達は、ある程度理解できたと思っています。
休み時間になっても鉄棒を教え合ったり
図書室に漢字辞典を調べに行ったり
一生懸命学習している様子がうかがえます。

特に気になる子がいます。ある事情で前年度の3学期からほとんど勉強に興味を示さない子がいます。
他の子の邪魔をすることはないのですが、授業が始まっても教科書出さない。
注意されて出してもうつぶせたりして過ごしています。
友達は、注意したり教えてあげようとしたりと優しく関わるのですが、
気分次第で学習したりしなかったりという状態です。
その子のためにみんなが、学習を終えることはできません。
なので私が、個別にその子について学習を見てあげた方がよいのでしょうか。

学び合いに取り組んでとても疲れます。特に足が
一斉指導の講義方式より疲れます。なぜかなと考えてみました。
学び合いでは、期間巡視をずっとしながら可視化しているからでしょうか。
子供達も疲れると言っています。その時は「、一生懸命働いているから(学習しているから)だよ。」と言っています。
でも、それとは関係なく新学期なのでお互いに疲れているのでしょうか。

去年までの悪い癖でついつい子供達を脅してしまいます。
「時間内にみんなが、できないと給食なしね。」
「時間内にみんなが、できないと居残りね。」と言った調子です。(本気で言っている訳では、ない。)
目標の与え方や内容の量に問題があるのでしょうか

初めてなので、全ての教科で取り組むことは厳しいでしょうか。
教科を1つか2つに絞って取り組んだ方がよいのでしょうか。
以上、よろしくお願いします。

4月13日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生 こんばんは  ○○です。 

こんばんは

> 先日は、ご丁寧な返事ありがとうございました。
> 早速質問があります。

どうぞ

> 「学び合い」の実践を始めて3日が経ちました。
> 先生に言われたように「学校教育は何のためにあるのか」を
> 話しました。子供達は、ある程度理解できたと思っています。
> 休み時間になっても鉄棒を教え合ったり
> 図書室に漢字辞典を調べに行ったり
> 一生懸命学習している様子がうかがえます。

了解

> 特に気になる子がいます。ある事情で前年度の3学期からほとんど勉強に興味を示さない子がいます。
> 他の子の邪魔をすることはないのですが、授業が始まっても教科書出さない。
> 注意されて出してもうつぶせたりして過ごしています。
> 友達は、注意したり教えてあげようとしたりと優しく関わるのですが、
> 気分次第で学習したりしなかったりという状態です。
> その子のためにみんなが、学習を終えることはできません。
> なので私が、個別にその子について学習を見てあげた方がよいのでしょうか。

お気持ち、察します。
最終的には○○さんの判断です。
だって、現場はそこにあり、ここは現場ではありません。
現場の人の考えがベストです。

という前提で書きます。
考えてください。
○○さんが個別について、何が出来ますか?
あながたついてしまえば、クラスの子どもは、その子の担当は「先生」だと思うでしょう。
そして、クラスの子どもは、その子を何とかしようとしません。
それが、「その子」のためでしょうか?
そして、それだけのことを○○さんは出来るのでしょうか?

○○さんは責任を持っているのはクラスの子どもです。
あなたが、その子についている間、クラスの子を捨てています。
それでいいのですか?

その子がおかしいということを気づいているのは○○だけでしょうか?
周りの子どもは気づいていないのですか?
○○さんが、周りの子ども以上に何が出来るのでしょうか?

私は最底辺の学校に勤めていました。
ある子が荒れました。
私は何が何だか分かりません。
クラスの子どもが教えてくれました。
その子の父親と母親が離婚調停の最終段階でした。

その子が落ち着きました。
顔が変わりました。
私は何が何だか分かりません。
クラスの子どもが教えてくれました。
離婚が決まり、別居の家が決まったそうです。
私は何も出来なかったし、何も分からなかった。
でも、クラスの子どもは何が起こったかは私以上に分かっていた。
そして、その渦中にある間は、他人様は何も出来ないことは分かっていた。
しかし、それが終わったら、その子を受け入れて、遊んでいた。

○○さんの子どもの状況はどういう状況かは分かりません。
しかし、上記の子ども以上のことが○○さんが出来るならどうぞ。
私には出来ません。
私はその子どものために、一歩引きます。

私の上記のレスがトンチンカンなら、どうそ、追加のメール下さいね。


> 学び合いに取り組んでとても疲れます。特に足が
> 一斉指導の講義方式より疲れます。なぜかなと考えてみました。
> 学び合いでは、期間巡視をずっとしながら可視化しているからでしょうか。
> 子供達も疲れると言っています。その時は「、一生懸命働いているから(学習しているから)だよ。」と言っています。
> でも、それとは関係なく新学期なのでお互いに疲れているのでしょうか。

あははははは
子どもが、そのように自覚しているならいい徴候です。
というより、凄い。

> 去年までの悪い癖でついつい子供達を脅してしまいます。
> 「時間内にみんなが、できないと給食なしね。」
> 「時間内にみんなが、できないと居残りね。」と言った調子です。(本気で言っている訳では、ない。)
> 目標の与え方や内容の量に問題があるのでしょうか

駄目です!
それでは、責任は教師が負っています。
出来なくても、自分は「な~んも関係ない」ことを強調すべきです。
よく考えてください。
その子達の成績が悪い場合、給料は減るでしょうか?
不登校が生じた場合、給料は減るでしょうか?
そんなことは無い!
もちろん、色々な嫌なことは生じるでしょうが、
教師の中には、そんなこと気にしない人がいる。
それは、実害がないからです。

さて、そのことが成り立たなかったら、だれが被害があるでしょうか?
それは、その子達です。
教師が罰を下す必要はない!
それが成り立たなかったら、どんなことが、その子達の人生に降りかかるかを
熱く、しつこく、ねちっこく語るべきです。
教師は「教える」必要はありません。
教師は説教すべきです。

> 初めてなので、全ての教科で取り組むことは厳しいでしょうか。
> 教科を1つか2つに絞って取り組んだ方がよいのでしょうか。
> 以上、よろしくお願いします。

『学び合い』はテクニックではありません。
考え方です。
子ども達は、それを出来る存在であり、
教師は、それを出来るようにする存在であるという考え方です。
そんな器用に、使い分けできるものではありません。
子どもは先生によって、自分の行動を変えることは簡単です。
しかし、先生によって行動を変えることは困難です。
なぜなら、子どもが見ているのは教師の「人」なんです。

が、それが出来ないことを正直に語れば良いだけのことです。

例えば(本当に例えばであって、最終的にはご自身で考えてください。)

『先生は、君たちが先生に頼らずにやれると考え○○では『学び合い』の授業をやっている。
しかし、すまん、先生は信じ切れないんだ。だから、○○、○○では今まで通りの授業をやっている。
お願いだ、君たちが私に自信をくれ!
君たちの○○の姿によっては、全てにそれが出来る!
期待しているよ』

さて、上記のように子どもに語ったとき、
あなたのクラスの子ども達は、どのように応えてくれますか?

期待しています。
レスお待ちしております。

4月16日

西川先生 こんばんは ○○です。

今日、子供達の学び合いの様子を知りたくて今算数で取り組んでいる3桁の足し算の10問テストをしました。
子供達には、目標は90点以上です。と示しておきました。その結果は、90点以上が、68%。60点以下が7%(50点が2人)でした。指導もしてないのにもしかしたら指導した以上かも知れないという気がします。
4時間扱いの所を3時間目でテストした結果です。(間違って早く進んでしまったので定着が悪いのではと心配していたのですが)
問題のN君は、例によっていつものようにやる気がなくうつぶせていました。時間が迫ってくると何人かがその子を囲み教え始めました。(テスト中なのに・・・。「まあ、いいか。」と、ほっておきました。)その子は、ほぼ時間内に終わらして90点でした。

掃除時間にちょっとしたトラブルがありました。問題のN君が、掃除を怠けているのをI君が注意しました。
(席が前後で、相性が悪いのか普段からよくケンカをしている。)それが、気にくわないものだから「ハクサイ頭。」と言って文句を言っている所へ6年の先生が通りかかり厳しく注意をされていました。たくさん子供達が集まっているのでどうしたのかなあと行ってみると文句を言って謝りもしないんだよと6年の先生が凄い剣幕で言って立ち去って行きました。
いつもの自分ならそこで6年の先生と同じように怒ったと思うのですが、躊躇してしまいました。
それで、後で子供達には、学習の時と同じように先生は、解決しません。皆さんで解決して下さいと言いました。
そう言ったものの反省のないN君の態度と普段の様子に、むらむらとした感情を抑えることができず、残して指導してしまいました。
文句を言って悪いと思ったら謝るべきじゃないのと指導しましたがI君も悪いんだよと引き下がりません。埒があきそうにもないのでそこで切り上げてました。
みんなが君のことを心配して学習を見てくれていることに対して「良い友達に囲まれて良かったなあ。」ということと
N君の良い所(前年度の担任から聞いた話など)してさよならをしました。
こんな子へは、どう対応したらよろしいのでしょうか。

4月16日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生 こんばんは ○○です。

> 今日、子供達の学び合いの様子を知りたくて今算数で取り組んでいる3桁の足し算の10問テストをしました。
> 子供達には、目標は90点以上です。と示しておきました。その結果は、90点以上が、68%。60点以下が
> 7%(50点が2人)でした。指導もしてないのにもしかしたら指導した以上かも知れないという気がします。
> 4時間扱いの所を3時間目でテストした結果です。(間違って早く進んでしまったので定着が悪いのではと
> 心配していたのですが)

あはははは
それで満足してはいけません。
90点以上が68%しかいない、と叱ってください。
そして、クラス全員が90点でなければならない!とはっぱをかけてください。

> 問題のN君は、例によっていつものようにやる気がなくうつぶせていました。時間が迫ってくると何人かがその子を囲み
> 教え始めました。(テスト中なのに・・・。「まあ、いいか。」と、ほっておきました。)その子は、ほぼ時間内に終わらして90点でした。


> 掃除時間にちょっとしたトラブルがありました。問題のN君が、掃除を怠けているのをI君が注意しました。
> (席が前後で、相性が悪いのか普段からよくケンカをしている。)それが、気にくわないものだから「ハクサイ頭。」と言って
> 文句を言っている所へ6年の先生が通りかかり厳しく注意をされていました。たくさん子供達が集まっているので
> どうしたのかなあと行ってみると文句を言って謝りもしないんだよと6年の先生が凄い剣幕で言って立ち去って行きました。
> いつもの自分ならそこで6年の先生と同じように怒ったと思うのですが、躊躇してしまいました。
> それで、後で子供達には、学習の時と同じように先生は、解決しません。皆さんで解決して下さいと言いました。
> そう言ったものの反省のないN君の態度と普段の様子に、むらむらとした感情を抑えることができず、残して指導してしまいました。
> 文句を言って悪いと思ったら謝るべきじゃないのと指導しましたがI君も悪いんだよと引き下がりません。埒があきそうにもないので
> そこで切り上げてました。
> みんなが君のことを心配して学習を見てくれていることに対して「良い友達に囲まれて良かったなあ。」ということと
> N君の良い所(前年度の担任から聞いた話など)してさよならをしました。
> こんな子へは、どう対応したらよろしいのでしょうか。 

○○さんも、ありがちな対応をしてしまいましたね。
偉そうな事をいっている私も、N君のことを知れば「むらむらとした感情」が生まれます。
そして、そんな感情を持っていることをN君は気づいているはずです。
では、どうするか、N君のことを一度忘れるのです。

○○さんにはN君を変えることは出来ません。
出来るのはクラスの子ども達です。
N君の問題を忘れて、
クラス全員が90点になることを求めて下さい。
そして、N君のことを忘れて、クラス全員が高まることの意味を何度も何度も説教してください。

喧嘩は必ずしも悪いとは思いません。
関わり始めるから喧嘩も起こります。
○○さんがしっかりと踏ん張り、道を示してください。

いかがでしょうか?

追伸
N君を別にして
『学び合い』って簡単だと思いません?

クラスが出来上がれば、N君の問題は解決します。
N君を変えるのは○○さんではなく、クラスです。
私は思います。
一人を変えることは大変です。
でも、クラス全員を変えることはたやすいことです。

4月17日

こんにちは上越教育大学の西川です。

○○さんのメールを名前を伏せて、我が同志に相談しました。
今日の朝、それが届きました。
ご覧下さい。

**********************************
西川先生
大変おもしろい事例ですね。
実際に会ってみないとわかりませんが、「多様な子がいる方がいい」という大前提から考えると、こういう子もいた方が楽しいと思えば問題はないと思います。
私のところでも、今日もS君のところでトラブルが発生しました。教えに来た子たちに対して「いいんだよ、うるさいな」と、切れた状態になっていました。
子どもたちは冷静に「おい、Sが切れた」と笑って接していました。
高学年になれば、お互いの性格もだいたい知り合っています。少なくても、その子の性格を知っている子がいます。

今回の発端は、そうじです。おそらくその子がそうじをしないことを周りは知っていたのだと思います。それを注意すると、逆に怒り出すことも。
教師がすべきは、その子を激しく注意することではなくて、学級でそうじの目標について理解させることだと思います。それで、「みんなで協力してやった方がいいと思わない?」と投げることを私ならします。
先週、そうじがあまりにもたるんでいるので、全員の前で5分ほど「そうじの目的」をしゃべりました。
全員が理解する必要はないので、短時間に終わります。あとは、そうじの時間に「そうじの目的って何だっけ」と声をかけておけば大丈夫でした。
メールの子は、そうじをさぼって強がって教師と子どもたちの注目を集めることを目標にしています。そんなことに付き合っても、あまり意味があるとは思えません。

参考になったでしょうか。

4月17日

こんにちは上越教育大学の西川です。

言葉が足りなかったので追伸します。

つまり、怒らなかった、ということはとても良かったと思います。

もう一歩進めるとしたら、
それは、N君を忘れて、
そして、クラス全体の目標を語るんです。

ありがちな行動というのは、

みんなが君のことを心配して学習を見てくれていることに対して「良い友達に囲まれて良かったなあ。」ということと
N君の良い所(前年度の担任から聞いた話など)してさよならをしました。

のようにN君に対して何かをしようとしている点です。
そんなのは必要ありません。
悪くすると、N君の術中に陥ります。
教師がやるべきは、クラス全体に語ることです。

4月18日

西川先生 こんばんは ○○です。

> ○○さんのメールを名前を伏せて、我が同志に相談しました。
> 今日の朝、それが届きました。
> ご覧下さい。

ありがとうございます。

> **********************************
> 西川先生
> 大変おもしろい事例ですね。
> 実際に会ってみないとわかりませんが、「多様な子がいる方がいい」という大前提か>
> ら考えると、こういう子もいた方が楽しいと思えば問題はないと思います。

今の所、なかなかそう思えないです。

> 私のところでも、今日もS君のところでトラブルが発生しました。教えに来た子たち 
> に対して「いいんだよ、うるさいな」と、切れた状態になっていました。
> 子どもたちは冷静に「おい、Sが切れた」と笑って接していました。
> 高学年になれば、お互いの性格もだいたい知り合っています。少なくても、その子の 
> 性格を知っている子がいます。
>
> 今回の発端は、そうじです。おそらくその子がそうじをしないことを周りは知ってい 
> たのだと思います。それを注意すると、逆に怒り出すことも。

なるほど下手に教師が、指導するよく理解している人(子供達)が対応したが良いと言うことでしょうか。

> 教師がすべきは、その子を激しく注意することではなくて、学級でそうじの目標につ 
> いて理解させることだと思います。それで、「みんなで協力してやった方がいいと思 
> わない?」と投げることを私ならします。
> 先週、そうじがあまりにもたるんでいるので、全員の前で5分ほど「そうじの目的」 
> をしゃべりました。
> 全員が理解する必要はないので、短時間に終わります。あとは、そうじの時間に「そ 
> うじの目的って何だっけ」と声をかけておけば大丈夫でした。

なるほどそのように試みてみます。

> メールの子は、そうじをさぼって強がって教師と子どもたちの注目を集めることを目 
> 標にしています。

無意識にN君は、そういう行動をとっているのでしょうか。

>そんなことに付き合っても、あまり意味があるとは思えません。

そう思います。

> 参考になったでしょうか。

とても参考になりました。ありがとうございます。

教師の主な仕事は、目標をしっかり語って学び会うクラスを目指すと言うことでしょうか。
教科学習は、子供達が学び合いながらしますので教師は、余裕を持ってクラス作りに専念できます。
そういう面で「学び合い」は、西川先生がおしゃるように簡単だと思います。
教師は、全てにパ-フェクト(学習では、教師の直接的な指導により全ての子供達に学力をつける等)を求められますが、
それって今の方法では、無理なような気がします。

4月18日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> > ら考えると、こういう子もいた方が楽しいと思えば問題はないと思います。

> 今の所、なかなかそう思えないです。

あははは
そりゃそうです。
だれだって、そうです。
焦らないで下さいね。

> > 私のところでも、今日もS君のところでトラブルが発生しました。教えに来た子たち 
> >
> > に対して「いいんだよ、うるさいな」と、切れた状態になっていました。
> > 子どもたちは冷静に「おい、Sが切れた」と笑って接していました。
> > 高学年になれば、お互いの性格もだいたい知り合っています。少なくても、その子の性格を知っている子がいます。
> > 今回の発端は、そうじです。おそらくその子がそうじをしないことを周りは知っていたのだと思います。それを注意すると、逆に怒り出すことも。

> なるほど下手に教師が、指導するよく理解している人(子供達)が対応したが良いと言うことでしょうか。

はいそうです。

> > 教師がすべきは、その子を激しく注意することではなくて、学級でそうじの目標について理解させることだと思います。それで、「みんなで協力してやった方がいいと思
> > わない?」と投げることを私ならします。
> > 先週、そうじがあまりにもたるんでいるので、全員の前で5分ほど「そうじの目的」をしゃべりました。
> > 全員が理解する必要はないので、短時間に終わります。あとは、そうじの時間に「そうじの目的って何だっけ」と声をかけておけば大丈夫でした。

> なるほどそのように試みてみます。

ポイントは、N君をなんとかしようとするのではなく、N君の周りを変えようとすることなんです。
N君よりは変えやすいでしょ?

> > メールの子は、そうじをさぼって強がって教師と子どもたちの注目を集めることを目標にしています。

> 無意識にN君は、そういう行動をとっているのでしょうか。

学習で教師の注目を得られないと、
バカなことをして注目を得ようとします。
それでも注目を得られないと反抗して注目を得ようとします。
それでも注目を得られないと、殻に閉じます。

でも、学び合いでは教師の注目を集める必要はないので、そのようなことをしなくなります。

> >そんなことに付き合っても、あまり意味があるとは思えません。

> そう思います。

> > 参考になったでしょうか。

> とても参考になりました。ありがとうございます。

> 教師の主な仕事は、目標をしっかり語って学び会うクラスを目指すと言うことでしょうか。
> 教科学習は、子供達が学び合いながらしますので教師は、余裕を持ってクラス作りに専念できます。
> そういう面で「学び合い」は、西川先生がおしゃるように簡単だと思います。

そしてクラスづくりは、その教科学習の上に立っていると考えいます。

> 教師は、全てにパ-フェクト(学習では、教師の直接的な指導により全ての子供達に学力をつける等)を求められますが、
> それって今の方法では、無理なような気がします。管理者は、あれもこれもいろいろ要求してきますが 

我々はスーパーマンではありません。
だから、一人で全部やろうとしても無理です。
クラス全員でやれば、それが出来ます。
少なくとも教師一人でやるより、圧倒的に高い達成度が期待できます。

4月19日

西川先生こんばんは ○○です。

私は、今回体育主任なので明日水泳の計画を提案します。
時間割で、はまらない学級が出てしまいました。
そこで思いついたのが、我が学年の合同学習です。
3学級を1つにたたむと上手く収まりました。
なぜ、それを思いついたかというと「学び合い」です。
他の学級の先生方を説得して取り組んでみます。
今までだと学年合同で取り組むとなると指導が行き届かないということで
積極的ではありませんでしたが、今回はウキウキしています。

話変わりましてNくんの事です。
またもや掃除の時です。
箒を振りまわしていました。そこへ他の子が来て面白がって回転している箒を跳んで遊び始めました。
N君だけならまだしも他の子までからんできたものだから
いつもの悪い癖でカットきて関係者を罰しました。
関係者を前にして全員に話しました。先生は、命に関わること(危険なこと)は許しませんと
そういう場合でも怒るんじゃなくて掃除の目的や危険な行動について冷静に話せないといけないですよね。
上手く自分をコントロ-ルできません。

4月20日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生こんばんは ○○です。


> 私は、今回体育主任なので明日水泳の計画を提案します。
> 時間割で、はまらない学級が出てしまいました。
> そこで思いついたのが、我が学年の合同学習です。
> 3学級を1つにたたむと上手く収まりました。
> なぜ、それを思いついたかというと「学び合い」です。
> 他の学級の先生方を説得して取り組んでみます。
> 今までだと学年合同で取り組むとなると指導が行き届かないということで
> 積極的ではありませんでしたが、今回はウキウキしています。

機会があれば、「忙しいを誰も言わない学校」をご参照下さい。

> 話変わりましてNくんの事です。
> またもや掃除の時です。
> 箒を振りまわしていました。そこへ他の子が来て面白がって回転している箒を跳んで遊び始めました。
> N君だけならまだしも他の子までからんできたものだから
> いつもの悪い癖でカットきて関係者を罰しました。
> 関係者を前にして全員に話しました。先生は、命に関わること(危険なこと)は許しませんと
> そういう場合でも怒るんじゃなくて掃除の目的や危険な行動について冷静に話せないといけないですよね。
> 上手く自分をコントロ-ルできません。 

我々の場合も、危険に関すること、人権に関することは、ちゃんと指導します。
だから、もし、N君の行動が危険に関するものだとしたら、それはN君を徹底的に叱ります。

なお、水泳の場合、『学び合い』の方が、危険予防に注意を注げますよ。

4月24日

西川先生こんばんは ○○です。

~みんな「きつつきの商売」を覚えよう。~というめあてを立てて
活動させました。(覚えるくらいに音読すれば相当理解も深まるだろうと考えていました。)
1時間で2ペ-ジは大丈夫だろうと思いそう指示しました。
はじめ!の合図で勢いよく音読の声が教室に響き渡りました。
この調子でいくと2ペ-ジは軽いなとみていました。
ところが、なかなか達成できません。
結局2時間あまりかけて達成できたのは、34名中20名でした。
(励みにと黒板に名簿を貼ってチェックさせました。それが、競争心を煽り返って
プレシャ-となり意欲をなくした子もかなりいたのでしょうか)
なぜ、思い通りいかなかったのか分かりません。
その時たまたま先生の奥義書に、ある方の音読の実践が紹介されていました。
その方のめあてを参考にして
~やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。~
というめあてで、「2日後に発表会をします。」と言って取り組ませました。
子供達は楽しんで生き生きと取り組み始めました。他のグル-プの練習がうるさくて
嫌だからとロ-カや図書室で練習するグル-プもいます。先生「図書室の先生に褒められたよ」
と言って喜んで戻ってくるグル-プ。給食の準備時間に練習するグル-プ。と意欲的に取り組んでいます。
こちらがどんなに一生懸命関わってもこうはいきません。学び合いの威力はとにかく凄いの一言です。

これまでは、管理職が「めあてを週案にしっかり書きなさい」と口うるさく言うから、仕方なく指導書から
多くの時間をかけて丸写ししていました。(多くの先生方がそうしています。だから「何でこんな無駄なことに
時間をかけさせるのだ!」と裏でぼやいています。)
ところが今回の件でめあては、なぜ立てるのかが分かった気がします。(めあて1つで子供の活動はまるっきり違うのです。)
それからもう1つ思ったことは、
~みんな「きつつきの商売」を覚えよう。~というめあては、めあてではなくこちら(教師)からの方法の強制になっていたのかなと言うことです。
子供達が学び合わなかった大きな原因の1つなのでしょうか。

とても気になっていた例のNくんですが、相変わらず姿勢も悪くうつぶしていることが多いのですが、授業中少しふざけたりは、するものの
以前は友達からの関わりだけでしたが自分から進んで学習に関わるようになってきました。掃除や給食当番も進んでやっています。特に、表情が明るくなり、休み時間によく話しかけるようになってきた事がうれしいです。ほとんど目立たなくなってきています。(他の子の方が気になるくらいです。)

先生の奥義書は、もの凄い本です。とても参考になります。

4月24日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

あと、もう少しで、最初の山は越えそうですね。
めあては大事です。
でも、小技になってはいけません。
大事なのは、子ども達の能力を本気で信じてください。
そして、学校教育は何のためにあるかをちゃんと語り、○○さんがそれを本気で信じてください。
その次元で考えると、何故前者が駄目で、後者が良かったかが分かります。

大事なのは二つです。
教師が本当に願っていること結果を伝えることで、どのようにするかという方法を目標と取り違えてはいけません。
ここで本気で信じているか、否かが問われます。
信じていないと、お節介に方法に介入します。

そして、どんな課題であっても「一人の例外なく、全員が達成する」ということを求めることです。妥協してはいけません。
ここで本気で信じているか、否かが問われます。
信じていないと、それが子どもに伝わります。
そして、勉強の得意な子が自己中心的な戦略をし始めます。

もう少しですよ。
遠慮せず、どんどんメールしてください。

4月24日

こんにちは上越教育大学の西川です。

追伸です

相手を意識出来る目標は「魔法」を起こします。
「だれだれのために」という目標は、それが成り立ったか、成り立っていないかを判断する基準を持てます。
それゆえ、目標をイメージすることがたやすくなります。
そして、「己のため」の目標より、一段高い、動機付けを可能とします。

一方、競争は絶対にさせません。
競争は『学び合い』と相容れないものです。
2004年7月8日のメモをご参照下さい。

ブログに可視化しました。

4月27日

子供達との約束通り水曜日に音読発表会を行いました。
子供達は、自由に8グル-プに分かれていました。
結構意欲的に活動していたのでかなり期待していました。
が、ふたを開けてみると期待通りのグル-プは、2グル-プでした。
子供達も同じように評価していました。
新学期間もないので子供達一人ひとりのことは、ほとんど理解できていません。
発表会を見て思ったことは、似た者同士(勉強ができる・できない、仲良し)に自然と分かれたのかなと思いました。
期待通りのグル-プは、個人個人の音読がしっかりできていて工夫もしていましたが、その他のグル-プは、
声も小さく、スラスラ読めないのです。その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりしています。
「これじゃめあてが達成したとは言えないよね。」と問いかけるともう一度やりたいというので
1時間練習してもう一度行うことにしました。
「学ぶことは、まねることだよ。発表会での良い所は参考にしてね。」
似た者同士が集まらないように「グル-プは変えても良いよ。」と付け加えました。
基準をはっきりさせるためまた、目標を高く設定するために
「期待通りのグル-プと同程度だと△、それより上だと○・◎ね。」と言って取り組ませました。

そして、本日2度目の発表会でした。
グル-プ構成は、ほとんど前回と変わっていません。期待通りのグル-プはさらに工夫を加えていました。
その他のグル-プは、全体的に声も大きくつっかえないで読めるようにはなってましたが、グル-プ間の交流がないせいでしょうか
目立った工夫はありませんでした。
目標設定が高いのか全てのグル-プが目標達成とはいきませんでした。しかし、
「いつまでも音読発表会を取り組むわけにもいかないのでここで打ち切りましょうね。」と言って終わりました。

子供達は、まだやりたそうでしたがこれで良かったのでしょうか(家庭訪問で親御さんから聞いた話によると音読が嫌いだった子が
家で一生懸命音読に取り組んでいたそうです。)

4月27日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

まず、ガンバ!
と言います。

さて、このことに関して、我が同志に転送しました。
その返信が来るまで、ちょっと待ってくださいね。

愚かな大学教師の気づいた点を、書かせていただきます。

まず、現象として、似たもの同士のグループが生じた場合、
それは課題が簡単であるということを意味します。

そして、意欲的にやっていたならば、それは楽しかったのでしょう。

ということは、
「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」という課題を○○さんがとらえ切れていない、
語り切れていない、ことを意味します。

つまり、
きっと「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」という課題を与えて
子ども達は、それを達していたのだと思います。

だから、
(家庭訪問で親御さんから聞いた話によると音読が嫌いだった子が
家で一生懸命音読に取り組んでいたそうです。)
ということが起こったのだと思います。

しかし、

声も小さく、スラスラ読めないのです。その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりしています。

ということは、
○○さんは「スラスラ読める」ことを望んでいました。
「スラスラ読める」ことを子どもに求めましたか?
○○さんが求めたのは「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」ですよね。

そこで聞きたいのは、
彼らが音読の活動している間、○○さんは何をしていましたか?
もし、願っているなら、
願っている方向で動いている子どもをほめたはずですが、していました?
もし、それがあって、2グループだけということは無かったと思うのですが・・・・

もう一つ、
○○さんは、音読のために、やっていたのですか?
つまり、テクニックとしてやっていたのですか?
そうではなくて、学び合うクラスを作るためでしょ。
だったら

> 目標設定が高いのか全てのグル-プが目標達成とはいきませんでした。しかし、
> 「いつまでも音読発表会を取り組むわけにもいかないのでここで打ち切りましょうね。」と言って終わりました。

では無いはずです。

いかがでしょうか?

特に聞きたいのは、
その活動の準備をしていたとき、
○○さんは、子ども達に何を語っていたでしょうか?

4月27日

こんにちは上越教育大学の西川です。

基準をはっきりさせるためまた、目標を高く設定するために
「期待通りのグル-プと同程度だと△、それより上だと○・◎ね。」と言って取り組ませました。

とありますが、
基準をどのように説明したのでしょうか?

その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりしています。

とありますが、
ということは子ども達の間で、課題の解釈のずれが生じています。

でも、
彼らの行動が生き生きしていたら、それは間違いではありません。
もんだいは方向付けが、彼らに伝わらなかっただけのことです。
間違っていないんですよ。

4月28日

西川先生 おはようございます。○○です。
貴重な時間を割いて メ-ルの返事いつも感謝しています。

> さて、このことに関して、我が同志に転送しました。
> その返信が来るまで、ちょっと待ってくださいね。

ありがとうございます。

> 愚かな大学教師の気づいた点を、書かせていただきます。
> まず、現象として、似たもの同士のグループが生じた場合、
> それは課題が簡単であるということを意味します。
> そして、意欲的にやっていたならば、それは楽しかったのでしょう。
> ということは、
> 「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」という課題を○○さんがとらえ切れていない、
> 語り切れていない、ことを意味します。
> つまり、
> きっと「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」という課題を与えて
> 子ども達は、それを達していたのだと思います。
> だから、
> (家庭訪問で親御さんから聞いた話によると音読が嫌いだった子が
> 家で一生懸命音読に取り組んでいたそうです。)
> ということが起こったのだと思います。
> しかし、
> 声も小さく、スラスラ読めないのです。その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりしています。
> ということは、
> ○○さんは「スラスラ読める」ことを望んでいました。
> 「スラスラ読める」ことを子どもに求めましたか?

気持ちの中には、あったのですがそれは音読発表会に向けての取り組みの中で解消されると思っていました。

> ○○さんが求めたのは「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」ですよね。
> そこで聞きたいのは、
> 彼らが音読の活動している間、○○さんは何をしていましたか?
> もし、願っているなら、
> 願っている方向で動いている子どもをほめたはずですが、していました?
> もし、それがあって、2グループだけということは無かったと思うのですが・・・・ 


おっしゃる通りです。いいわけになるかも知れませんが、今家庭訪問期間中です。
普段だと給食と掃除が終わって後の休憩時間(2時前後)に家庭学習の点検(日記の返事、頑張りノ-ト・漢字・計算スキルのまる付け)
をするのですが家庭訪問に2時前には、出発しないといけないのでついつい子供達を活動させながら点検していました。なので
たまに各グル-プを回って「頑張っているね。」と声掛けしたぐらいです。
子供を褒めるという大事なことがおろそかになっていました。
子供のせいにしては、いけないですよね。教師の怠慢と言われても仕方がないと思います。反省です。

> もう一つ、
> ○○さんは、音読のために、やっていたのですか?
> つまり、テクニックとしてやっていたのですか?
> そうではなくて、学び合うクラスを作るためでしょ。
> だったら
>> 目標設定が高いのか全てのグル-プが目標達成とはいきませんでした。しかし、
>> 「いつまでも音読発表会を取り組むわけにもいかないのでここで打ち切りましょうね。」と言って終わりました。
> では無いはずです。
> いかがでしょうか?
> 特に聞きたいのは、
> その活動の準備をしていたとき、
> ○○さんは、子ども達に何を語っていたでしょうか?

4月28日

こんにちは上越教育大学の西川です。

『学び合い』の文化の形成過程とは、
子どもの変わる過程ではなく、教師が変わる形成過程です。
最初は大変かもしれません。
でも、ちゃんと進んでいます。

我々は教師は教えるより、説教すべきと思います。
今、音読で感じていること、それを、率直に彼らに語ってください。

つまり、
音読に関して、自主的に活動し、家でもやっていたことを先生は知っている。
そして、凄いと思う。
嬉しいと思う。
しかし、声も小さく、スラスラ読めないのです。その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりした班が多かったように思う。
それで、「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」だろうか?
そして、そんなクラスが、いいクラスだろうか?
君たちのがんばりが、今回は繋がっていなかった。
しかし、君らは出来ると先生は信じている。
どうすべきかは君らが考えられるはずだ。
次の課題での君たちに期待しているよ。

と、例えば語ってください。
教師一人で悩んでもしょうがありません。
上記のように語れば、それを理解する子は、必ず4、5人はいるはずです。
その子達が、動き出します。
そして、それを教師がほめてください。
ただし、ほめる目的は、その子をほめるためではなく、その行動が素晴らしいことだということをクラスのみんなに伝えるのが目的です。
その子をほめるのは、○○さんではなく、周りのみんなです。
そのようなクラスを作ることを目標にしてくださいね。

どんどん、メールしてくださいね。

4月28日

西川先生 こんにちは、○○です。

今朝のメ-ル途中で間違って送信してしまいました。
舌っ足らずのメ-ルにもかかわらず懇切丁寧な返事ありがとうございます。

以前に東京のカリスマ先生にメ-ルで質問したことがありました。
「そんなことは、ご自分で考えて下さい。」と冷たくあしらわれたことがあります。
今回も、不安な気持ちでメ-ルを送っていました。
でも、西川先生先生は違います。身も知らない自分にも希望をもたしてくれています。 

ありがたいです。

> もう一つ、
> ○○さんは、音読のために、やっていたのですか?
> つまり、テクニックとしてやっていたのですか?
> そうではなくて、学び合うクラスを作るためでしょ。

はい、学び会うクラスを作るためです。

> だったら
>> 目標設定が高いのか全てのグル-プが目標達成とはいきませんでした。しかし、
>> 「いつまでも音読発表会を取り組むわけにもいかないのでここで打ち切りましょうね。」と言って終わりました。
> では無いはずです。
> いかがでしょうか?
> 特に聞きたいのは、
> その活動の準備をしていたとき、
> ○○さんは、子ども達に何を語っていたでしょうか?

学び合いを始めた当初は、新学期と言うこともあり子供達は凄く意欲的に私の話を聞き学び合いに取り組んでいました。
(できる子が下位の子に一生懸命関わる姿見られた。)
最近では、当初のような積極的な関わりが、弱まりグル-プが固定化(仲良しグル-プ)されている傾向にあります。
そこで、子供達に聞きました。
君たちは、学び合いのクラスを作りたいですか?
それとも○○先生が去年まで取り組んでいた学級みたいなクラスですか?(去年のクラスの子は、
6年生になっていてその子達から○○先生はとても厳しいと噂で聞いて知っている。
だから私の変身ぶりに意外と優しいぞと言っているようだ。)
2つのクラスの違いについて説明しました。
「学び会うクラス」:自分達で考えて関わりながら行動するクラス。自分達で頭を働かさないといけないから難しいぞ。
「今までのクラス」○○丸軍団:君たちは○○丸のロボットだからその命令通りに動かないといけないよ。
例えば○○丸がウンチをしてお尻を拭けと命令したらそうしないといけない。(子供達「汚い。」)
だけど言われた通りに考えないでやればいいから楽だ。
さて、楽しいのはどっちかなあ。君たちはどっちを選ぶ。
ほとんどみんな声を合わせたように「学び会うクラス」がいいと大声で言っていました。(2,3人は○○丸
軍団もおもしろそうだなあと言っていました。)
それじゃ先生が、「学び会うクラス」と「○○丸軍団」の看板を作るからどっちになるかは皆さん次第だよ。と言って
今は、黒板に 素敵な「学び会うクラス」考える を貼ってある。 裏は、「○○丸軍団」ロボット が書かれている。

音読発表会に向けては、関わらしたいと思い
「学ぶ」ことは、まねることだよ。スポ-ツでも上手い子の真似ができる子は、上手になるよね。
だからお友達の良い所を参考にして下さいと話しました。
いくつかのグル-プがめあて達成できてOKでは、なく全てのグル-プ(みんな)が達成できないとダメです。
ということはいつも強調しています。

最近は、だれてきていたのですが、そういう話をしてからは、以前のように覇気が感じられるようになってきました。

>
> 『学び合い』の文化の形成過程とは、
> 子どもの変わる過程ではなく、教師が変わる形成過程です。

なるほど!

> 最初は大変かもしれません。
> でも、ちゃんと進んでいます。

私のクラスの「学び合い」進んでいるか不安です。後退しているような気もするのですが。

> 我々は教師は教えるより、説教すべきと思います。
> 今、音読で感じていること、それを、率直に彼らに語ってください。
> つまり、
> 音読に関して、自主的に活動し、家でもやっていたことを先生は知っている。
> そして、凄いと思う。
> 嬉しいと思う。
> しかし、声も小さく、スラスラ読めないのです。その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりした班が多かったように思う。
> それで、「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」だろうか?
> そして、そんなクラスが、いいクラスだろうか?
> 君たちのがんばりが、今回は繋がっていなかった。
> しかし、君らは出来ると先生は信じている。
> どうすべきかは君らが考えられるはずだ。
> 次の課題での君たちに期待しているよ。
> と、例えば語ってください。
> 教師一人で悩んでもしょうがありません。
> 上記のように語れば、それを理解する子は、必ず4、5人はいるはずです。
> その子達が、動き出します。
> そして、それを教師がほめてください。
> ただし、ほめる目的は、その子をほめるためではなく、その行動が素晴らしいことだということをクラスのみんなに伝えるのが目的です。
> その子をほめるのは、○○さんではなく、周りのみんなです。
> そのようなクラスを作ることを目標にしてくださいね。

分かりました。そのように努力します。
落ち込んでいたのに西川先生にメ-ルして希望が沸いてきました。

> どんどん、メールしてくださいね。

お言葉に甘えてよろしいでしょうか。ありがたいことです。

4月28日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生 こんにちは、○○です。

> 今朝のメ-ル途中で間違って送信してしまいました。
> 舌っ足らずのメ-ルにもかかわらず懇切丁寧な返事ありがとうございます。

> 以前に東京のカリスマ先生にメ-ルで質問したことがありました。
> 「そんなことは、ご自分で考えて下さい。」と冷たくあしらわれたことがあります。
> 今回も、不安な気持ちでメ-ルを送っていました。
> でも、西川先生先生は違います。身も知らない自分にも希望をもたしてくれています。 

> ありがたいです。

○○さんが変われば、凄いことが起こる、と信じています。
そのために、メールぐらいはチョロいモンです。

さて、

> 学び合いを始めた当初は、新学期と言うこともあり子供達は凄く意欲的に私の話を聞き学び合いに取り組んでいました。
> (できる子が下位の子に一生懸命関わる姿見られた。)
> 最近では、当初のような積極的な関わりが、弱まりグル-プが固定化(仲良しグル-プ)されている傾向にあります。

先にメールしたとおり、グループが固定化した場合は、
それは課題がレベルが低いときに起こる現象です。

その他の文章を読んで感じるのは、
何故、学び合うのかということを語ったか?ということです。

最初に語ったことは何かを知りたいと思います。
具体的には、学びの殿堂で紹介している神崎さんの10月4日の語りを参照してください。
そして、10月26日の語りとプリントを参照してください。

つまり、出来る子どもが出来ない子どもを教えるのは、自分のためであることを理解しているか?が気になります。

> 最近は、だれてきていたのですが、そういう話をしてからは、以前のように覇気が感じられるようになってきました。

そうです。
説教はいっぱいしてください。
そして、彼らを一杯ほめてください。
ただし、「彼」ではなく「彼ら」をほめると言うことを忘れてはいけません。
> >
> > 『学び合い』の文化の形成過程とは、
> > 子どもの変わる過程ではなく、教師が変わる形成過程です。

> なるほど!

> > 最初は大変かもしれません。
> > でも、ちゃんと進んでいます。

> 私のクラスの「学び合い」進んでいるか不安です。後退しているような気もするのですが。

あなたが、そう思えば「後退」します。

> > 我々は教師は教えるより、説教すべきと思います。
> > 今、音読で感じていること、それを、率直に彼らに語ってください。
> > つまり、
> > 音読に関して、自主的に活動し、家でもやっていたことを先生は知っている。
> > そして、凄いと思う。
> > 嬉しいと思う。
> > しかし、声も小さく、スラスラ読めないのです。その上打ち合わせも十分でなく途中で揉めたりした班が多かったように思う。
> > それで、「やっている自分達も聞いている友達も楽しいと思える音読をしよう。」だろうか?
> > そして、そんなクラスが、いいクラスだろうか?
> > 君たちのがんばりが、今回は繋がっていなかった。
> > しかし、君らは出来ると先生は信じている。
> > どうすべきかは君らが考えられるはずだ。
> > 次の課題での君たちに期待しているよ。
> > と、例えば語ってください。
> > 教師一人で悩んでもしょうがありません。
> > 上記のように語れば、それを理解する子は、必ず4、5人はいるはずです。
> > その子達が、動き出します。
> > そして、それを教師がほめてください。
> > ただし、ほめる目的は、その子をほめるためではなく、その行動が素晴らしいことだということをクラスのみんなに伝えるのが目的です。
> > その子をほめるのは、○○さんではなく、周りのみんなです。
> > そのようなクラスを作ることを目標にしてくださいね。

> 分かりました。そのように努力します。
> 落ち込んでいたのに西川先生にメ-ルして希望が沸いてきました。

> > どんどん、メールしてくださいね。

> お言葉に甘えてよろしいでしょうか。ありがたいことです。

どうぞ、どうぞ

あなたが変われば、数十人の子どもが救われる。
そして、『学び合い』の考えを会得されれば、きっと別な先生に伝えてくれる。
そうすれば、もの凄い子どもが救われる(もちろん教師も)。
それに私が役立てるならば、それは、とても誇りのもてることです。
ちなみに、結構楽しんでいるんですよ。
だって、教えたいから教師を職に選んでいるんです。
ところが、『学び合い』の考えから言えば、個を教えてはいけないんです。
でも、こういう風に個に繋がれる時って、私にとっては禁断の喜びです。あはははは
ただし、出来るだけ、方法ではなく考えを伝えたいと、心にとめています。

いつでもどうぞ。

4月30日

西川先生こんばんは、 ○○です。

> その他の文章を読んで感じるのは、
> 何故、学び合うのかということを語ったか?ということです。
>
> 最初に語ったことは何かを知りたいと思います。
> 具体的には、学びの殿堂で紹介している神崎さんの10月4日の語りを参照してください。
> そして、10月26日の語りとプリントを参照してください。
> つまり、出来る子どもが出来ない子どもを教えるのは、自分のためであることを理解しているか?が気になります。

「学び合い」に取り組んだ当初に神崎さんの10月4日に語りを参考にして語たりある程度理解してもらえたと思ったのですが、
最近の様子を見ると上手く伝わってなかったのかも知れません。
神崎さんの語りを参考にして、子供達を信じて熱く語ってみます。

>> 最近は、だれてきていたのですが、そういう話をしてからは、以前のように覇気が感じられるようになってきました。
>
> そうです。
> 説教はいっぱいしてください。
> そして、彼らを一杯ほめてください。
> ただし、「彼」ではなく「彼ら」をほめると言うことを忘れてはいけません。

「彼ら」(子供達)をいっぱい褒めたいと思います。

> 我が同志である神崎さんが、現場に帰ってから作成したプリントを添付します。
> お読みいただき、使ってください。
>
> もちろん中学生用ですから、書き直す必要があると思います。
> が、殆ど書き直す必要はないでしょう。
>
> というのは、『学び合い』の授業と同じ理屈です。
> 我々は、どんなに教師が丁寧に教えても、分からない子どもはいると知っています。 

> 同時に、教師があれこれ手を入れなくても、分かる子はいることを知っています。
> それ故、教える手だてを考えるより、両者を繋がらせることを大事にしています。
>
> 同じ理屈で、配るプリントを分かりやすくはしません。
> どんなに手を入れても、分からない子はいますし、
> 何も手を入れずに、分かる子はいます。
>
> プリントはいいですよ。
> じっくり読んで考えることが出来る。
> 是非おためしあれ。
>
> 追伸
> でも、手を入れることは○○さんには意味があると思います。
> というのは、神崎さんの文章の中には、どうしても削れない部分がちりばめられています。
> それ故、これを削って良いのか、表現を変えて良いのか、を吟味すると勉強になります。

吟味して活用させて頂きます。

> 『学び合い』を壊してしまう、教師のありがちな行動があります。
> 『学び合い』の奥義書にあるのでご参照下さい。
>
> 典型的になのは、「個」を褒めるということです。
> つまり、出来た出来たと言ってきた子どもを褒めることです。
>
> あと、ありがちなのは、教えてしまう、ということです。
> 教えてしまえば、子どもは依存してしまいます。
>
> あと、課題のレベルをクラスの中の下に合わしてしまうというのがあります。
> そうなると、出来る子が学び合わなくなってしまう。
> こう陥ることを、心配します。

細かいアドバイスありがとうございます。その事に気を付けていきたいと思います。

4月30日

こんにちは上越教育大学の西川です。
ある同志より下記のメールを転送します。
以下を読むと混乱するかもしれません。
でも、我々はコピーして使える資料集を作ろうとしているのではありません。
それを奥義書で書いたと思います。
吟味してください。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

返信遅くなり申し訳ありません。今、読みました。
私が読んでいて一番引っ掛かったのは、目当ての設定で
「やっている自分も、聞いている友達も楽しいと思える・・・」
としたところです。
学び合いの対象であるクラスの仲間が評価の対象であるので
学び合い導入当初の子ども達ならなおさら、手の内を隠したり、
「ねえ、こうやってやると楽しいかなあ?」といった相談を他のグループに
できなかったりしたのでは?と神崎の直感が言っています。
「図書館の先生を楽しませる音読に」とかだったら燃えると思うけどなあ。
この活動をやめたのは正解だと思います。
よし次は、校長先生をあっと言わせる音読をしよう!
で、最チャレンジしましょう。
具体的な評価項目を示して、校長先生に厳しく点数を付けてもらうのも
よいかもしれません。それで、どのグループも、○点以上取ろう!です。
当然グループの吸収合併、再構成なんでもありです。

5月2日

西川先生こんばんは、○○です。

> こんにちは上越教育大学の西川です。
> ある同志より下記のメールを転送します。
> 以下を読むと混乱するかもしれません。
> でも、我々はコピーして使える資料集を作ろうとしているのではありません。
> それを奥義書で書いたと思います。
> 吟味してください。
>
> @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
>
> 返信遅くなり申し訳ありません。今、読みました。
> 私が読んでいて一番引っ掛かったのは、目当ての設定で
> 「やっている自分も、聞いている友達も楽しいと思える・・・」
> としたところです。
> 学び合いの対象であるクラスの仲間が評価の対象であるので
> 学び合い導入当初の子ども達ならなおさら、手の内を隠したり、
> 「ねえ、こうやってやると楽しいかなあ?」といった相談を他のグループに
> できなかったりしたのでは?と神崎の直感が言っています。
> 「図書館の先生を楽しませる音読に」とかだったら燃えると思うけどなあ。
> この活動をやめたのは正解だと思います。
> よし次は、校長先生をあっと言わせる音読をしよう!
> で、最チャレンジしましょう。
> 具体的な評価項目を示して、校長先生に厳しく点数を付けてもらうのも
> よいかもしれません。それで、どのグループも、○点以上取ろう!です。
> 当然グループの吸収合併、再構成なんでもありです。

なるほどと感心して読みました。奥義書にある実践のめあてをそのまま使ったので無理があったと思います。
クラスの実態をよく見ないといけないということでしょうか。
それから、「学び会うクラス」を作るために子供達を関わらせることを考えないといけないと思いました。

今、気になっていることがあります。集中して話を聞けないことです。説明して始まってから聞きに来たり、
間違ったことをしていたりしています。
こういう事があるので人の話をしっかり聞くことは大事ですよ。と言う話をしてこれからはその約束をしっかり守って下さい。
と話したのですがこちらに集中させて話し始めるのにとても時間がかかります。一人ひとり注意する(子供達にやって欲しいのです。それも学び合いだよと言っています。)のはさけていますので「約束は何だった」と言うと何人かが気づいて注意するのですがなかなか集中してくれません。
イライラするのですが根気強く待っています。
情けない質問でスミマセンがそんな時どうしたらよいのでしょうか。

5月2日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 今、気になっていることがあります。集中して話を聞けないことです。説明して始まってから聞きに来たり、
> 間違ったことをしていたりしています。
> こういう事があるので人の話をしっかり聞くことは大事ですよ。と言う話をしてこれからはその約束をしっかり守って下さい。
> と話したのですがこちらに集中させて話し始めるのにとても時間がかかります。一人ひとり注意する(子供達にやって欲しいのです。それも学び合いだよと言っています。)のはさけていますので「約束は何だった」と言うと何人かが気づいて注意するのですがなかなか集中してくれません。
> イライラするのですが根気強く待っています。
> 情けない質問でスミマセンがそんな時どうしたらよいのでしょうか。

○○さんを私は知りません。
でも、力のある先生だと分かります。
だから、今、産みの苦しみをしているのだと感じます。

学び合いは実は難しくないんです。
今まで子どもに、色々教えている時間、説教すれば良いんです。
人はどのようにあるべきかを語れば良いんです。
しゃべっていけないのではありません。
一杯しゃべって良いんですよ。
人の道を一杯しゃべって良いんです。

あなたの目の前にいるのは、
教師集団だと考えてください。
その時、どのような校長が望ましいか、考えてください。

提案です。
一時間で結構です。
授業のビデオを送って下さい。
そうしたら、もういっぽつっこんだコメントが出来ます。

あなたなみの力があれば、万に一つも失敗はありません。
きっと、ちょっとした勘違いがあるのだとおもいます。
勘違いとしては、どうでもいいことにこだわりっていることが可能性があります。
そして、可能性としてあるのは、
既に『学び合い』が成立しているのに、
それに気づかずにいて、課題のレベルが低い可能性があります。
そのあたりはビデオを観れば一発です。

あなたなみの力があれば、万に一つも失敗はありません。

5月2日

こんにちは上越教育大学の西川です。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/makine45/
の5月2日のコメントを呼んでください。
よろしければ、その方のメールアドレスをお教えしますよ。
きっと、私より、ずんと心に響くメールがあるはずです。

5月5日

西川先生こんばんは、○○です。

> 提案です。
> 一時間で結構です。
> 授業のビデオを送って下さい。
> そうしたら、もういっぽつっこんだコメントが出来ます。

連休明けにビデオ撮りして、送りたいと思いますのでよろしくお願いします。

> http://manabiai.g.hatena.ne.jp/makine45/
> の5月2日のコメントを呼んでください。

>子どもたちが教師の指示を聞かない、指示を守らないとなると、多くの教師は指導を強化します。


去年は、指導を強化して失敗しました。(今までそうしてきてだいたい上手くいっていたのですが)

>または逆に指導を放棄し、放任します。
>指導がある限界を超えて通らなくなると、所謂「学級崩壊」の状態になります。
>「学級崩壊」という最悪の状態を想定している教師は、指示が通らなくなる状態を恐れます。
>子どもたちが理解しないと、もっと説明をし、指導をし、ますます強い指導になっていきます。
>子どもたちの腰はひけ、学びが後退していきます。
>失敗を恐れ、わからないと言えない子どもたちが素直に頷くだけの教室になります。 

去年のクラスは、正にそういう状態でした。
「先生の言う通りにしていれば絶対効果が上がる。もし、そうでなければ努力が足りないのです。」と言って取り組ませていましたが
私なりに一生懸命に取り組んでいるわりには、なかなか効果が現れないので焦りました。 
おまけに裏(私が、怖いので目の前では大人しくしていました。)でいじめがあるとか、 
成績が伸びないのは先生のやり方が悪いとかで親が訴えてきました。
でも先生は、自作のプリントを作成したりして一生懸命に取り組んでいるという事でその点では、多いに認めて下さいました。
この一年で感じたのは、どんなに教師が一生懸命に取り組んでも押しつけでは子供達は伸びていかないと言うことです。
その事を去年の子供達に教えられたように思います。
「意欲を待たさなければ生き生きと取り組ませることはできないな」と思っていた所に飛び込んできたのが、八幡小学校の
『学び合い』の取り組みでした。

>子どもたちが学ぶ状態は、教師はむしろ何もしません。
>教師がいなくても、子どもたちが学んでいればそれでいいのです。
>今日、象徴的な出来事がありました。
>ある班が国語の時間、漢字辞典を使いたいからと言って、図書室に移動しました。
>他の班はそのまま教室にいました。
>校長先生が教室に回ってきて、子どもたちの学びを見ていきました。
>私が
>「この班の子どもたちは図書室にいます」
>と言うと、
>「知っています。すっごくまじめにやっていたよ」
>とおっしゃっていました。
>私も図書室に行くと、5人の子どもたちはそれぞれ辞書を広げて、なにやら調べていました。
>理科の時間。
>唾液がデンプンを分解していることを確かめる実験。
>自由班なので、子どもたちは好きずきに班を作っています。
>一つの班が、誰が唾液を出すのかでもめて、実験が最後までできませんでした。
>「先生、誰もやらない」
>と言うので
>「それは、君たちの班の問題でしょ。この班で実験をやりたいと、この班を作ったのは君たちなんだから、君たちで解決しなさい」
>と突っぱねたら、そのまま終わりのチャイムが鳴りました。
>終わってから
>「どういうことで、この班を作ったのか、考えてください」
>と子どもたちと話をしました。
>一部が戦略的に動き出しているのはわかります。
>まだそれが広がっていきません。
>連休の合間で、授業が進まないという事情もあるでしょう。
>来週は、国語でいよいよ一単元を任せるという授業を始めます。
>7日の参観は、その最初の時間。
>目標設定について、かなりしゃべります。
>子どもたちが目標に向かって動き出すのか、それとも、目標が設定できずに、混乱を招くか。
>我がことながら、どきどきします。

> よろしければ、その方のメールアドレスをお教えしますよ。
> きっと、私より、ずんと心に響くメールがあるはずです。

西川先生のメ-ルは、もちろんいつも心に響いております。(自分にもできるのかなと思うとワクワクします。)
また、今現場で学び合いを実践して成果を上げている方の生のメ-ルはとても参考になりますのでメールアドレスをお教えて下さい。よろしくお願いします。

5月5日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生こんばんは、○○です。

> > 提案です。
> > 一時間で結構です。
> > 授業のビデオを送って下さい。
> > そうしたら、もういっぽつっこんだコメントが出来ます。

> 連休明けにビデオ撮りして、送りたいと思いますのでよろしくお願いします。

お待ちしております。 

> > http://manabiai.g.hatena.ne.jp/makine45/
> > の5月2日のコメントを呼んでください。
>子どもたちが教師の指示を聞かない、指示を守らないとなると、多くの教師は指導を強化します> 
> 去年は、指導を強化して失敗しました。(今までそうしてきてだいたい上手くいっていたのですが)

> >または逆に指導を放棄し、放任します。
> >指導がある限界を超えて通らなくなると、所謂「学級崩壊」の状態になります。
> >「学級崩壊」という最悪の状態を想定している教師は、指示が通らなくなる状態を恐れます。

> >子どもたちが理解しないと、もっと説明をし、指導をし、ますます強い指導になっていきます。
> >子どもたちの腰はひけ、学びが後退していきます。
> >失敗を恐れ、わからないと言えない子どもたちが素直に頷くだけの教室になります。 
> >
> 去年のクラスは、正にそういう状態でした。> 
> 「先生の言う通りにしていれば絶対効果が上がる。もし、そうでなければ努力が足りないのです。」と言って取り組ませていましたが

> 私なりに一生懸命に取り組んでいるわりには、なかなか効果が現れないので焦りました。 
> おまけに裏(私が、怖いので目の前では大人しくしていました。)でいじめがあるとか、 
わかります。
> 成績が伸びないのは先生のやり方が悪いとかで親が訴えてきました。
> でも先生は、自作のプリントを作成したりして一生懸命に取り組んでいるという事でその点では、多いに認めて下さいました。
 
> この一年で感じたのは、どんなに教師が一生懸命に取り組んでも押しつけでは子供達は伸びていかないと言うことです。
> その事を去年の子供達に教えられたように思います。
> 「意欲を待たさなければ生き生きと取り組ませることはできないな」と思っていた所に飛び込んできたのが、八幡小学校の
> 『学び合い』の取り組みでした。
> >子どもたちが学ぶ状態は、教師はむしろ何もしま> 
> >教師がいなくても、子どもたちが学んでいればそれでいいのです。
> >今日、象徴的な出来事がありました。
> >ある班が国語の時間、漢字辞典を使いたいからと言って、図書室に移動しました。
> >他の班はそのまま教室にいました。
> >校長先生が教室に回ってきて、子どもたちの学びを見ていきました。
> >私が
> >「この班の子どもたちは図書室にいます」
> >と言うと、
> >「知っています。すっごくまじめにやっていたよ」
> >とおっしゃっていました。
> >私も図書室に行くと、5人の子どもたちはそれぞれ辞書を広げて、なにやら調べていました。
> >理科の時間。
> >唾液がデンプンを分解していることを確かめる実験。
> >自由班なので、子どもたちは好きずきに班を作っています。
> >一つの班が、誰が唾液を出すのかでもめて、実験が最後までできませんでした。
> >「先生、誰もやらない」
> >と言うので
> >「それは、君たちの班の問題でしょ。この班で実験をやりたいと、この班を作ったのは君たちなんだから、君たちで解決しなさい」
> >と突っぱねたら、そのまま終わりのチャイムが鳴りました。
> >終わってから
> >「どういうことで、この班を作ったのか、考えてください」
> >と子どもたちと話をしました。
> >一部が戦略的に動き出しているのはわかります。
> >まだそれが広がっていきません。
> >連休の合間で、授業が進まないという事情もあるでしょう。
> >来週は、国語でいよいよ一単元を任せるという授業を始めます。
> >7日の参観は、その最初の時間。

> >目標設定について、かなりしゃべります。
> >子どもたちが目標に向かって動き出すのか、それとも、目標が設定できずに、混乱を招くか。
> >我がことながら、どきどきします。

> > よろしければ、その方のメールアドレスをお教えしますよ。
> > きっと、私より、ずんと心に響くメールがあるはずです。

> 西川先生のメ-ルは、もちろんいつも心に響いております。(自分にもできるのかなと思うとワクワクします。)
> また、今現場で学び合いを実践して成果を上げている方の生のメ-ルはとても参考になりますのでメールアドレスをお教え
> て下さい。よろしくお願いします。

○○さんです。
良い先生ですよ!

○○○ <○○○>

5月9日

西川先生こんばんは、○○です。

本日、国語の最初の単元テスト[きつつきの商売」をしました。
音読発表会などで取り組んだ所です。
「あんまり良くないだろうな。」と期待しないでテストしました。
結果は、解答に書かれている期待得点は、
読む:86点  言語:81点 でした。
それに対してクラスの得点は、
読む:
男子(95点) 女子(96点)  平均(95.5点)
言語:
男子(86点) 女子(96点)  平均(91点)
でした。
男子の言語事項が女子に比べて低いのは、家庭学習不足です。
『学び合い』で取り組みましたのでもちろん私の指導は一切はいていません。
意外に取れていたので内心嬉しかったのですが、
子供達には、「嬉しい人?」と聞くとほとんどの子が「ハ-イ」と言って嬉しそうに手を挙げました。
そこで、私が「皆さんは、みんなが90点以上を目標に取り組みましたので何人かがそれ以下ですので
みんなではないので、嬉しくないになります。」「できなかったからもうあきらめる?」というと
「あきらめない」と威勢の良い声が返ってきました。
Kくんが、私の所へ来て「先生初めて90点以上取った」と報告に来ました。
とてもうれしかったです。

学び合いが成立しているのか半信半疑なのですが、こちらが指示(目標設定)さえ間違わなければ確実に学び合うような気がします。

5月9日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

良かったですね。

ところで、『学び合い』で一番、手がかかるのはなんだと思います?
子どもではないんです。
それは、自分の心を変えることなんです。

自分の心が変われば、その鏡である子どもは必ず変わります。

さて、「学び合いが成立しているのか半信半疑なのですが、こちらが指示(目標設定)さえ間違わなければ確実に学び合うような気がします。」
とありますよね。

あなたの心が「半信半疑」だと、鏡である子どもも半信半疑なんです。
子ども達を信じてあげてください。
もっと凄いことが出来るはずだと信じてください。
その気持ちはオーラのように子どもに伝わります。

もし、結果が不十分だったら、「何故、君たちに出来ないんだ!君たちは出来るはずだ!」と心の底から説教してください。
けっして「しょうがないよな~」とは思ってはいけません。

『学び合い』の程度は数値に確実に表れます。
クラスの平均点ではありません。
クラス全員が驚異的な点数を出すことに端的に表れます。
もう少しです。
「みんな」ということの重要性を心にとめて、もっと、もっと高い課題を与え、それが出来ると信じてください。
鏡である子どもは、必ず、応えてくれます。
もし、万が一、百万が一、応えてくれないとしたら、それは、教師の心が、そのような心であると言うことです。

もう少しです!
期待していますよ!

5月9日

西川先生こんばんは、○○です。

鉄棒の授業で「全員逆上がりができるようにする。」で取り組んでいます。
昨日,Nくん(問題だった子、今は、普通になっている。)に教えてもらってできるようになった子(Kくん)が
今日は、得意になって別の子に教えていました。
「キックするように蹴り上げろ」とか言って一生懸命にアドバイスしていました。
教わっている子も必死になって練習していました。手の皮がむけても辞めません。
とうとう何とかできるようになりました。
私が個別に関わってもここまで必死に取り組ませることはできません。
今日の1時間でKくんとNくんが教えて二人の子ができるようになりました。
ビデオに撮ってあるので送りますね。

5月9日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

あははは
免許皆伝ですよ。

「学び合いの仕組みと不思議」に書いてありますが、
普通のクラスでは「先生、これでいい?」と聞くんです。
でも、『学び合い』が成立しているクラスでは、「凄いでしょ!」と自慢するんです。
あはははは
○○さんは、自慢しているんですよ。

どんどん、自慢しくてください。
とても嬉しい!

5月10日

西川先生こんばんは、○○です。

お陰様で「学び合い」実践しながら少しずつ分かってきました。
今日も鉄棒の授業は、昨日にもまして意欲的に取り組んでいました。

今日は、算数の授業は、単元テストの前のおさらいです。
10枚のプリントを全員が凄い勢いで時間はちょっとオ-バ-してしましましたが
終えました。(休み時間も取り組んでいました。)
明日は、遠足なのですが間違えて「明日テストします」というと「明日は、遠足だよ」という声と
「テストやる」という声が響きました。(普通だと全員が「何言っている先生・・・」となりそうです。)

5月18日

西川先生こんばんは、○○です。

私のクラスの「学び合い」を更に高めて凄い効果を発揮できたら
学年、学校全体での取り組みや学力研へも広めていきたいと意欲が湧いてきました。
これからもよろしくお願いします。

今日、算数の単元テスト【足し算、引き算】をしました。
今年度になって2回目のテストです。
1校時~3校時まで社会の校区探検でずっと歩きっぱなしで4校時は、
そのまとめでした。1番条件の悪い5校時のテストでした。
なので疲れて悲惨な結果かもしれないと思っていました。
子供達は、疲れているにもかかわらず全員が一生懸命に取り組みました。
34人のテスト結果です。
目標は、みんなが90点以上です。
90%以上達成(20人)
80%以上達成(7人)
70%以上達成(3人)
60%以上達成(1人)
50%以上達成(2人)
43%達成(1人)

まずまずのできだと思いますが、まだ目標に達してない子が14名もいます。
達成できた子の20名が一人ひとりについても余りますので全員達成も夢ではないと思います。
学校の方針で単元によって算数の先生と私でクラスを半分に分けて少人数の取り組みをしています。
今回は、引き算の所を1週間は、その取り組みをしました。
「学び合い」を全員で取り組めたらもっと効果が出ていたと思われます。
徐々に算数の先生も巻き込んでいけたらと思っています。

大事なことを言い続ける(説教)そして褒める(評価)。のが良かったのでしょう。
なかなか思うように動かないのでイライラした時期もあったのですが
それが少なくなってきました。
最近いろんな場面で子供達がもの凄く意欲的になってきました。
(ボ-ッとして何考えているのかなと思っていた子までが)
なんて表現したらいいのでしょう言い続けたことが頭の中で熟成されて
それが、行動になって現れてきた。
まだまだですが、教師が考え方さえ変えれば変わってくるのですね。
何かに取り付かれたように細かい所まで一生懸命掃除をしています。
(言わないのに床の隙間からごみを取ったり、黒板や黒板ふきをとてもきれいにしたり 

私のテ-ブルをきれいにふいたり・整理整頓したりテレビをふいたり・・・等探してやっています。)
給食は、いつも10分遅れだったのが今では5分早い時もあります。
話をしっかり聞けるようになってきました。
(1回目のテストで90点以上を初めて取った子は、今回も90点以上でした。それに気を良くしたのか
係活動もとても一生懸命になってきました。かなり落ち着きのない子なのですが、誰よりもしっかり話を
聞いていてお友達に注意していたのには吃驚です。今日の探検での観察もなかなか良かった。
良い面がどんどん出てきます。)
掲示物がはずれていたらすぐ止めてくれます。
進んでよくお手伝いをします。放課後も残って手伝う子もいます。
怒る必要は、ほとんどありません。事務もゆとりを持ってできます。
教師が、邪魔さえしなければ存分に子供は個性を発揮するのですね。
以前は、ゆとりを持って子供達に接したい。いっぱい褒めたい。と思ってもなかなかできませんでした。
逆に忙しさに追われてゆとりを持って接せない。怒りすぎてしまう。子供達は、反発する。また、怒る。
悪循環です。一生懸命取り組んでいるの分かってくれないと挙げ句の果ては、子供の性にする。親の性にする。
今はほとんど子供に任せて、よく観察して褒めることができます。それが、上手く循環しています。

来週から一単元を子供に任せてみようと思っています。楽しみです。

5月18日

こんにちは上越教育大学の西川です。

あはははは
全員、90点以上を実現するまでは、決して満足してはいけませんよ。
彼らはそれができます。
強く願って、信じてください。
そうすれば彼らは、それを実現します。

まるで宗教みたいですが、
そのようになっているから不思議です。

5月21日

西川先生 こんばんは、○○です。

今日、【足し算、引き算】を再テストしました。
・工夫して計算しましょう。のところが悪かったのでその復習と
テストの直しをさせました。
その後のテストの結果です。

90%以上達成(29人)
80%以上達成(4人)
0点      (1人)

0点は、例のN君です。テスト前の学習中にふざけて、女の子の椅子を引いて転けさせようとしたので
私に厳しく注意されその後は、いつものようにうつぶせて全然やってないためです。

「一人を見捨てるクラスは、次々とみんなを見捨てることになる。」という説教をしてみんな分かるようにテスト直しを
するように指示しました。できてない5人をみんなが取り囲んで教える場面をイメ-ジしていました。
ところがイメ-ジとは、違ってほとんどは、自分の直しを終えると遊び始めました。(混乱???)
できてない子に何人かが関わって4人は、時間内にできましたが
N君は、何人かが関わるものの全然やる気がありません。
こだわりすぎたでしょうか。

5月21日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 今日、【足し算、引き算】を再テストしました。
> ・工夫して計算しましょう。のところが悪かったのでその復習と
> テストの直しをさせました。
> その後のテストの結果です。

> 90%以上達成(29人)
> 80%以上達成(4人)
> 0点      (1人)

> 0点は、例のN君です。テスト前の学習中にふざけて、女の子の椅子を引いて転けさせようとしたので
> 私に厳しく注意されその後は、いつものようにうつぶせて全然やってないためです。

> 「一人を見捨てるクラスは、次々とみんなを見捨てることになる。」という説教をしてみんな分かるようにテスト直しを
> するように指示しました。できてない5人をみんなが取り囲んで教える場面をイメ-ジしていました。
> ところがイメ-ジとは、違ってほとんどは、自分の直しを終えると遊び始めました。(混乱???)
> できてない子に何人かが関わって4人は、時間内にできましたが
> N君は、何人かが関わるものの全然やる気がありません。
> こだわりすぎたでしょうか。

おそらく、「みんな」ということを○○さんがどれほどの覚悟で捉えているのかが分かっていないのでしょう。
「5人をみんなが取り囲んで教える場面をイメ-ジしていました」とありますが、そりゃ、青春ドラマの見過ぎですよ。
そんなことしません。
だれかが4人を面倒見ていることをみていれば、ことさら関わることをしないという戦略は当然です。
もし、そのような子どもを増やしたいならば、関わっている子どもを褒めりゃいいんです。
褒めました?
メールを読む限りは、褒めていないように感じますが・・・・
また、N君をなんとかしないのは、「N君が悪いのだから、サポートしない」とみんなが考えたのだと思います。
そして、そうさせたのは強く叱った○○さんなんです。

プロセスを評価するのではなく、結果を評価してください。
そして、もし、全員が90%でなければ、それを求めて下さい。
その段階で、あれだけ注意されたN君も90%以上にしないことを駄目なんだ、と分かるかもしれません。

さて、上記の事例に関して、根本的な問題は、
N君を強く叱ったことだと思います。

どうしたら良かったか、
それはクラス全員を叱ることです。
つまり、「このクラス全員は学び合うクラスだろうか」と問いかけるのです。
そうすれば、クラスの子どもがN君を律することをします。
その方が、N君にはプレッシャーが強いんです。

今までのメールを見る限り、
N君は○○さんに甘えているように感じます。
そのような関係では、N君に振り回され続けさせられます。
解決するには、N君をなんとかすのではなく、クラスを何とかすることに全てを注いでください。
そして、N君に何とかすることをやめるのです。

このあたりは、難しければ、メールしてください。
補足説明をします。

6月1日

西川先生 こんばんは、○○です。

【大事なこと】一年生(西川注:西川のブログ)を読んで感動しました。今の自分にはその様子がありありと想像できます。
なぜかと言うと「学び合い」を始めてから同じようなことが何度かあったからです。
5分、10分・・・と時間が過ぎていくとこちらから関わっていこうかとイライラしますが、我慢して見守っていると切れている子供を
椅子に腰掛けさせて落ち着かせるなど何処で身に付けたのと吃驚してしまうほどです。イライラする必要など全くないことが後から分かります。
トラブルを解決した子供達は、何もなっかたようにその時間の学習までも終わらせてしまいました。
よく子供同士のトラブルがあった時すぐ対応するようにと言いますが、普通の学級では、授業があるからと後回しにされます。
それでは、肝心の学習にも身が入るわけはありません。子供もにとってそれを解決しないと前に進めないからです。
たとえ直ぐに教師が関わったとしても子供のように上手く解決はできません。子供が納得しないままに適当な所で仲直りさせるのがおちです。
子供達は、それをずっと根に持ちそれ故教師の前では、おとなしくしておいて裏でコソコソと言うことがおこるのでしょう。そんな事で今まで精神的にかなり参っていましたが「学び会い」のお陰で邪魔さえしなければその後には、「感謝・感激」が待っていることが分かりました。

話は変わって、三日前の出来事です。
内科検診がありました。男の子達は、上半身裸になってかなり興奮気味でした。「静かに受けましょうね。」と言ってあったのにかなり騒がしい状態でした。子供達が何とかしてくれるだろうと待っていましたがなかなか静かになりません。養護の先生に注意されました。興奮している子供達は、なかなか静かになりません。お医者さんが、冗談交じりにうるさい子は、「パンツも取ってもらおうね。」と言うと図に乗って「いいよ。」ときました。もう我慢の限界です。腕をつかんで二人の子をロ-カに放り出しました。短気が私のいけない所です。次の手を打たなければと思い学級に戻った子供達に話ました。
T:「君たちの態度はどうでしたか。」C:「お医者さんに迷惑をかけた。」T:「それじゃその責任を取らないといけないよね。みんなで話し合ってどうするかまとめて下さい。」
しばらくしてC:「全員で謝りに行きます。」T:「分かりました。そうして下さい。」 

しかしお医者さんは、すでに帰った後でした。
C:「保健の先生が、伝えておくと言っていましたよ。」T:「君たちは人に任せて責任を取ったことになるのですか。」

~その後の子供対の会話から~
「みんなで病院に行くと忙しいから迷惑だよね。」「何人かで行けば。」「それでも対応しないといけないから同じじゃない。」
「電話はどう。」「それも同じだよね。」
結局子供達の出した結論は、みんなで手紙を書こうと言うことになりました。
中心になって話し合いをまとめた子は、家でも自分達の判断が正しいのか家族に相談してそれで良いと言っていたと翌日私に報告してくれました。
今日、お医者さんがまた検診に来るよと伝えると養護の先生といつ頃持って行ったらいいのかの打ち合わせまでして無事手紙を届けました。
素晴らしドラマを見ているようです。20数年教員をしてきてこういう気持ちを味わったことはありません。
凄い子供達です。「感激し、感謝する」それで給料がもらえる。ありがたいことです。

6月1日

こんにちは上越教育大学の西川です。

ありがとう、同志
またまた泣いています。
さっそくブログに紹介します。

追伸
こんな感激、○○さんが発信してはいかがでしょうか?
きっと日々、発見があるはずです。
私がブログを書き始めたときには、たいして考えがあったわけではありません。
しかし、やり続けていると、実は自分の宝を作っていることに気づきます。
是非、ご検討下さい。

 ということで、以降の実践は、「某」ブログにて公開中です。

事例3

 本とネットで『学び合い』に出会った小学校の先生です。

 

5月25日

西川先生、はじめまして。
○○県で小学校に勤めております、○○と申します。

西川先生の学び合いの考え方とネットで出会い、読み進めるうちにその理論に引き込まれました。

私の学級には5年生22名の子ども達がいます。学力の差も大きく、それ以上に、子ども同士のつながりの希薄さ(たとえば、異性と話さない、声の大きな子の意見が通ってしまう、友達がいいことをしても褒めないし悪いことをしてもとがめない等)に思い悩んでいます。
一人ひとりの子ども達の学力をどうやってつけるかということと、子ども達をどのように結び付けていくかという、2つの大きな課題(しかも、私には相反するような手立てしか思いつかない!)にはさまれ、どうするべきか苦しい日々が続いています。

そんな中、子ども達のつながりで学ばせるという西川先生のお考えは、私にとってはコロンブスの卵ともいえる発想の転換でした。しかし、Webページや書籍を読み進めるにしたがって、非常に真っ当な考え方であるということをひしひしと感じています。

そこで、早速先週からわがクラスでも学び合いの実践に取り組み始めました。今日で丸2週間になります。
実践してみて、最初、何のことかとキョトンとしていた子どもたちの中にも、私の言っていることを飲み込み、学び合いが行われている(と、私が感じられる)グループも出てきています。子ども達を頼もしく思いました。

しかしながら、やはり、担任である私がいけません。

最初は果たしてうまくいくのかどうかが気になっていたのですが、いくつかのグループでそれなりに学び合いができるようになると感じられるにつれ、ある子ども達が目に付くようになってきました。それは、学力が低かったり、行動や言葉遣いが乱暴なため仲間から浮いている、学び合いの輪に入らない子ども達です。

最初は、周りの子ども達に「みんなができているか見てきて」と、それとなく促していたのですが、度重なると子ども達に「あの子はできないから」というメッセージを伝えているように感じるようになり、あまり言わなくなってしまいました。
また、直接そんな子達に声かけをしたこともありました。しかし、どのように働きかければよいのか迷った挙句、「それで自分のためになっているの?」などと声をかけてしまっています。私にそう言われれば確かに学習に取り組んでい(るように見える行動をし)ますが、そんな子ども達の姿を見ると、私の気休め以上の意味があるのかと滅入ってしまいます。
そういうことを経験するたび、子ども達のことを信じられない、意のままに動かすことを望んでいる自分の姿を確認しているようで辛いのですが、では、その子ども達にどうしてあげるのが学級みんなにとってプラスになるのか、悩んでいる毎日です。

おそらく、基本的な考え方の認識で躓いているのだと思うのですが、自分の力では打破するのはなかなか難しいと感じています。
もし、何か壁を乗り越えるためのヒントがおありでしたら、教えていただけないかとメールさせていただいた次第です。

ぶしつけなお願いなのは重々承知ですが、ぜひよろしくお願いいたします。

それでは、失礼いたします。

5月25日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生、はじめまして。
> ○○県で小学校に勤めております、○○と申します。

今日は!

> しかしながら、やはり、担任である私がいけません。

> 最初は果たしてうまくいくのかどうかが気になっていたのですが、いくつかのグループでそれなりに学び合いができるようになると感じられるにつれ、ある子ども達が目に付くようになってきました。それは、学力が低かったり、行動や言葉遣いが乱暴なため仲間から浮いている、学び合いの輪に入らない子ども達です。

> 最初は、周りの子ども達に「みんなができているか見てきて」と、それとなく促していたのですが、度重なると子ども達に「あの子はできないから」というメッセージを伝えているように感じるようになり、あまり言わなくなってしまいました。
> また、直接そんな子達に声かけをしたこともありました。しかし、どのように働きかければよいのか迷った挙句、「それで自分のためになっているの?」などと声をかけてしまっています。私にそう言われれば確かに学習に取り組んでい(るように見える行動をし)ますが、そんな子ども達の姿を見ると、私の気休め以上の意味があるのかと滅入ってしまいます。
> そういうことを経験するたび、子ども達のことを信じられない、意のままに動かすことを望んでいる自分の姿を確認しているようで辛いのですが、では、その子ども達にどうしてあげるのが学級みんなにとってプラスになるのか、悩んでいる毎日です。

> おそらく、基本的な考え方の認識で躓いているのだと思うのですが、自分の力では打破するのはなかなか難しいと感じています。
> もし、何か壁を乗り越えるためのヒントがおありでしたら、教えていただけないかとメールさせていただいた次第です。

> ぶしつけなお願いなのは重々承知ですが、ぜひよろしくお願いいたします。

> それでは、失礼いたします。

辛いですよね。
分かりますよ。
つきあいますよ。
安心してください。
私にメールをしてくれるならば、解決しますよ。

さて、子どもは自分の心の鏡です(分かっていますよね)。
子ども達に、何で学び合うのかを、どのように語っていますか?
出来るだけ、正確に書いて下さい。
まずは、そこから始めましょう。

5月28日

西川先生、こんにちは。○○の○○です。

お返事をいただきありがとうございました。
とても心強く読ませていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。

> さて、子どもは自分の心の鏡です(分かっていますよね)。
> 子ども達に、何で学び合うのかを、どのように語っていますか?
> 出来るだけ、正確に書いて下さい。

子どもたちには、
「クラスの仲間だから、みんなができるようになればいいよね」
「できる人はできない人に教えてあげることで、自分がもっとよくわかるようになるよ」
「友だちのいろいろな考えを聞くことができれば、新しい考えが出てくるかもしれないよ」
と話しています。

子ども達にどれだけ伝わっているかは分かりません。(きっと、それなりに言葉では理解
してくれていると思います。)が、それより、自分自身が信じ切れない、待ちきれないということが、いい方向に進まない原因ではないかと思っています。

それでは、失礼いたします。

5月28日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

レス有り難うございました。

『最初は、周りの子ども達に「みんなができているか見てきて」と、それとなく促していたのですが、度重なると子ども達に「あの子はできないから」というメッセージを伝えているように感じるようになり、あまり言わなくなってしまいました。
また、直接そんな子達に声かけをしたこともありました。しかし、どのように働きかければよいのか迷った挙句、「それで自分のためになっているの?」などと声をかけてしまっています。私にそう言われれば確かに学習に取り組んでい(るように見える行動をし)ますが、そんな子ども達の姿を見ると、私の気休め以上の意味があるのかと滅入ってしまいます。』

おそらく、不安で不安でしょうがないから、プロセスを評価してしまうのでしょうね。
まず最初は、出来ない子どもに着目するのではなく、出来る子どもに着目してください。
そうすると、きっと素晴らしい子どもの姿があるはずです。
それを「すごいな~」と褒めてください。
ただし、褒める理由は回りの子どもに対するメッセージだと言うことに気をつけてください。
詳しくは5月23日のブログのメモにある「何を褒め、何を止めるの? 」をご覧下さい。

まずは、『学び合い』の良さをわかる子を作ることが先決です。
そして、プロセスを評価せず、結果を評価すれば良いんです。
例えば、「クラス全員90点以上取れ」(クラス平均が95点以上に難しい課題です)と求めます。
当然、○○さんが気になっている子は取れません。
そこで、クラス全員に、「クラス全員90点を取れていない」と評価します。
そして、これの原因は「その子、あの子」という特定の子どもの問題ではなく、そのような子を生んだクラスの問題である、と評価します。
そして、一人の子どもを捨てるクラスがいいクラスだろうか?と問いかけてください。
例えば、学びの殿堂の神崎さんの実践の10月26日の語りを見て下さい。
分からないことがあれば、いつでもウエルカムですよ。

5月28日

上越教育大学、西川先生
○○の○○です。早速のお返事ありがとうございます。

> おそらく、不安で不安でしょうがないから、プロセスを評価してしまうのでしょうね。
> まず最初は、出来ない子どもに着目するのではなく、出来る子どもに着目してください。
> そうすると、きっと素晴らしい子どもの姿があるはずです。
> それを「すごいな~」と褒めてください。
> ただし、褒める理由は回りの子どもに対するメッセージだと言うことに気をつけてください。

実は、子ども達のすごさには気がついています。
前のメールでお知らせしたような私のメッセージを受け止めて、子どもたちだけの力で学び合っている班も、すでにあります。
最初は、そういうグループを褒めていたのですが、そういうグループが固定化してしまっているため「いつもこの子たちばかり褒めている」と思われているのではないかと、褒めることを躊躇するようになってしまっていました。
頭では、できる子どもに着目することもわかっているつもりですが、悲しいかな、できていない子達が気になって仕方ない(=やがて変わりゆく姿を待てない)のです。


> まずは、『学び合い』の良さをわかる子を作ることが先決です。
> そして、プロセスを評価せず、結果を評価すれば良いんです。
> 例えば、「クラス全員90点以上取れ」(クラス平均が95点以上に難しい課題です)と求めます。
> 当然、○○さんが気になっている子は取れません。
> そこで、クラス全員に、「クラス全員90点を取れていない」と評価します。
> そして、これの原因は「その子、あの子」という特定の子どもの問題ではなく、そのような子を生んだクラスの問題である、と評価します。
> そして、一人の子どもを捨てるクラスがいいクラスだろうか?と問いかけてください。

ちょっと表現が過激にも感じますが、おっしゃりたいことは分かります。
ともかく、結果で評価する、ということですね。
学び合いのよさを感じ始めている子ども達はすでにいますので、その雰囲気を壊さないように心して教室に入ります。


> 例えば、学びの殿堂の神崎さんの実践の10月26日の語りを見て下さい。
> 分からないことがあれば、いつでもウエルカムですよ。

ありがとうございます。
学びの殿堂のビデオ、じっくり拝見させていただきます。

5月29日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 実は、子ども達のすごさには気がついています。
> 前のメールでお知らせしたような私のメッセージを受け止めて、子どもたちだけの力で学び合っている班も、すでにあります。
> 最初は、そういうグループを褒めていたのですが、そういうグループが固定化してしまっているため「いつもこの子たちばかり褒めている」と思われているのではないかと、褒めることを躊躇するようになってしまっていました。
> 頭では、できる子どもに着目することもわかっているつもりですが、悲しいかな、できていない子達が気になって仕方ない(=やがて変わりゆく姿を待てない)のです。

気持ち分かります。
しじゅう褒める必要はないですよ。
それに、もう少し、眼を開けば、色々なところに素晴らしいものがあると思います。

> > まずは、『学び合い』の良さをわかる子を作ることが先決です。
> > そして、プロセスを評価せず、結果を評価すれば良いんです。
> > 例えば、「クラス全員90点以上取れ」(クラス平均が95点以上に難しい課題です)と求めます。
> > 当然、○○さんが気になっている子は取れません。
> > そこで、クラス全員に、「クラス全員90点を取れていない」と評価します。
> > そして、これの原因は「その子、あの子」という特定の子どもの問題ではなく、そのような子を生んだクラスの問題である、と評価します。
> > そして、一人の子どもを捨てるクラスがいいクラスだろうか?と問いかけてください。

> ちょっと表現が過激にも感じますが、おっしゃりたいことは分かります。
> ともかく、結果で評価する、ということですね。
> 学び合いのよさを感じ始めている子ども達はすでにいますので、その雰囲気を壊さないように心して教室に入ります。

そのあたりの間合いは、その教室にいる方しか分かりません。
○○さんの判断は正しいと思います。> 

> > 例えば、学びの殿堂の神崎さんの実践の10月26日の語りを見て下さい。
> > 分からないことがあれば、いつでもウエルカムですよ。

> ありがとうございます。
> 学びの殿堂のビデオ、じっくり拝見させていただきます。

見てからの感想下さいね。

6月2日

西川先生、こんにちは。○○県の○○です。
お世話になっております。

さて、神崎先生のビデオ拝見いたしました。
最初の部分での先生の語りは、Webにアップされていたpdfファイルの内容と同じでした。それ以降、子どもたちが学習に取り組むまでの間の語りも、西川先生の著書に書かれていることですね。
教科書を完成させること、その内容について班の誰もが理解していること、やり方は自由であり結果を出すこと、評価は教科書の内容で行うこと、どこまで進んでいるのかを書くこと、実験などに必要な道具はそろえていること、子どもたちに期待していることを伝えること・・・。
教師は、子どもたちに勉強する(せずにはいられない?)場を与える、コーディネーターという感じを受けました。
どのビデオを見ても、学び合いを進めていらっしゃる先生方の語りは、基本に忠実で、特段の技のようなものを駆使しているようには見えないというのが、不思議であり、また「自分も学び合いの授業ができそうだ」という希望を持たせてくれるものであります。
さて、私の今週は、水曜日に予定されていた遠足が雨で金曜日になったため、ちょっと落ち着かない週後半となりました。

私なりに学び合いに取り組み始めて3週間が過ぎました。
学び合いはそれなりに行われていますが、やはり「する子はする、しない子はしない」という状況です。今週で学習が終わる単元があり、来週はテストをいくつか行いますので、前回教えていただいた「クラス全員が90点をとれてない」を子どもたちに伝えることになります。
私が「みんなが分かるように」と言い過ぎたのか、子どもたちの中には「連帯責任」という言葉を口にする子もいます。人に教えることが自分の力になるということを伝えられていないなあと反省することしきりです。

もう一つ課題が見えてきました。
西川先生の奥義書に「グループが固定化してしまう」という項目がありますが、まさにその状態です。
現在は「教科書に記述がある、または教科書で解決できる程度の課題を全員が理解する」という目標で授業に取り組ませています。もちろん、できる子たちにとってはたやすい問題なので、授業時間の前半で理解できています。グループがほぼ固定化している状況では、仲良しグループ内では学び合いが行われていると言ってもよいと思いますが、学級全体という視点ではお寒い状況です。
テストの点数による「クラス全員が90点をとれてない」という指導をするとしても、やはり授業の目標がイマイチなら、やはり学び合いもイマイチな状況に留まってしまうのではないかと思います。どのように目標を立てて子どもたちに伝えていくかというのが次の課題です。

6月2日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生、こんにちは。○○県の○○です。
> お世話になっております。

> さて、神崎先生のビデオ拝見いたしました。
> 最初の部分での先生の語りは、Webにアップされていたpdfファイルの内容と同じでした。それ以降、子どもたちが学習に取り組むまでの間の語りも、西川先生の著書に書かれていることですね。
> 教科書を完成させること、その内容について班の誰もが理解していること、やり方は自由であり結果を出すこと、評価は教科書の内容で行うこと、どこまで進んでいるのかを書くこと、実験などに必要な道具はそろえていること、子どもたちに期待していることを伝えること・・・。
> 教師は、子どもたちに勉強する(せずにはいられない?)場を与える、コーディネーターという感じを受けました。
> どのビデオを見ても、学び合いを進めていらっしゃる先生方の語りは、基本に忠実で、特段の技のようなものを駆使しているようには見えないというのが、不思議であり、また「自分も学び合いの授業ができそうだ」という希望を持たせてくれるものであります。

テクニックではなく、「考え方」なので揺らぎません。
分かってしまうと、特段考える必要はなくなってしまします。
単に、言いたいよう、やりたいようにすれば良いんです。
子ども達が動き始めたら、単に、好奇心旺盛なおっさんになれば十分です。

> さて、私の今週は、水曜日に予定されていた遠足が雨で金曜日になったため、ちょっと落ち着かない週後半となりました。

> 私なりに学び合いに取り組み始めて3週間が過ぎました。
> 学び合いはそれなりに行われていますが、やはり「する子はする、しない子はしない」という状況です。今週で学習が終わる単元があり、来週はテストをいくつか行いますので、前回教えていただいた「クラス全員が90点をとれてない」を子どもたちに伝えることになります。
> 私が「みんなが分かるように」と言い過ぎたのか、子どもたちの中には「連帯責任」という言葉を口にする子もいます。人に教えることが自分の力になるということを伝えられていないなあと反省することしきりです。

それが分かっているなら、「すまん、ちゃんと語れなかったね。先生が言いたいのは・・」と語れば良いんです。

> もう一つ課題が見えてきました。
> 西川先生の奥義書に「グループが固定化してしまう」という項目がありますが、まさにその状態です。
> 現在は「教科書に記述がある、または教科書で解決できる程度の課題を全員が理解する」という目標で授業に取り組ませています。もちろん、できる子たちにとってはたやすい問題なので、授業時間の前半で理解できています。グループがほぼ固定化している状況では、仲良しグループ内では学び合いが行われていると言ってもよいと思いますが、学級全体という視点ではお寒い状況です。
> テストの点数による「クラス全員が90点をとれてない」という指導をするとしても、やはり授業の目標がイマイチなら、やはり学び合いもイマイチな状況に留まってしまうのではないかと思います。どのように目標を立てて子どもたちに伝えていくかというのが次の課題です。

まずは、子ども達に学び合いの良さを感じさせる段階で十分ですよ。

6月2日

西川先生、こんばんは。
土曜日の夜ですのにお返事をいただき、ありがとうございます。

> テクニックではなく、「考え方」なので揺らぎません。
> 分かってしまうと、特段考える必要はなくなってしまします。
> 単に、言いたいよう、やりたいようにすれば良いんです。
> 子ども達が動き始めたら、単に、好奇心旺盛なおっさんになれば十分です。

ええ。テクニックではないということ、分かっているつもりです。
好奇心旺盛なおっさん目指します。


> それが分かっているなら、「すまん、ちゃんと語れなかったね。先生が言いたいのは・・」と語れば良いんです。

わかりました。
私は、どうも子どもたちの一挙手一投足が気になって仕方がないようです。何に遠慮しているのかとも思い、なんとも情けないのですが、ちゃんと話をしてみます。

>まずは、子ども達に学び合いの良さを感じさせる段階で十分ですよ。

了解です。まずはそのことに取り組みます。

6月18日

西川先生、こんにちは。○○の○○です。

先週1週間、○○特有の5泊6日の自然学校で児童引率に行っておりました。

さて、その自然学校の前週に、いくつかの教科でテストを目標は全員が90点と宣言して行いました。
結果、国語では問題が簡単だったため全員がクリア。算数では
4人が70点代で、それ以外がクリア。
算数のテスト後「全員がクリアできていない。分かっている人が、できていない仲間に教えてほしい。教えることで自分ももっとよく分かるようになるし、誰もを見捨てないクラスの方がいいよね」と話しました。
ただし、これまでに行っていたテストに比べれば明らかに点数は向上していますので、この点は確認しました。

先週の自然学校でも、学び合いモードに持ち込もうと子どもたちに
働きかけました。特に今回は子どもたちが自分たちで組織した班を単位としての活動が多かったので、「全員の力をあわせて」「困っている人を見捨てない」など、教室と同じ言葉をかけ続けました。
これから教室でどのように子どもたちが動くか、引き続き声かけを続けながら見守りたいと思います。

この間、クラスのとある女の子が「先生のこのやり方、テレビで紹介されていたよ」と話しかけてくれました。子どもたちが教室を歩き回ったり、先生が教壇にあまり立たないなど、知らない方が見れば、一見「どうなってるの?」的な授業なので、周囲に対して子どもたちの成績が向上していることを見せたり、メディアで取り上げてもらったりして認知が広まることも必要だろうと感じました。
月末の教育委員会訪問と、来月の保護者参観をどうするか、っていうことも気になり始めています。これまでの授業の常識と違ったことをやると、いろいろ言われるのが常なので、少々気が重いです。

それでは、失礼いたします。

6月18日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

> 西川先生、こんにちは。○○の○○です。

> 先週1週間、○○特有の5泊6日の自然学校で児童引率に行っておりました。

> さて、その自然学校の前週に、いくつかの教科でテストを目標は全員が90点と宣言して行いました。
> 結果、国語では問題が簡単だったため全員がクリア。算数では
> 4人が70点代で、それ以外がクリア。
> 算数のテスト後「全員がクリアできていない。分かっている人が、できていない仲間に教えてほしい。教えることで自分ももっとよく分かるようになるし、誰もを見捨てないクラスの方がいいよね」と話しました。
> ただし、これまでに行っていたテストに比べれば明らかに点数は向上していますので、この点は確認しました。

> 先週の自然学校でも、学び合いモードに持ち込もうと子どもたちに
> 働きかけました。特に今回は子どもたちが自分たちで組織した班を単位としての活動が多かったので、「全員の力をあわせて」「困っている人を見捨てない」など、教室と同じ言葉をかけ続けました。
> これから教室でどのように子どもたちが動くか、引き続き声かけを続けながら見守りたいと思います。

> この間、クラスのとある女の子が「先生のこのやり方、テレビで紹介されていたよ」と話しかけてくれました。子どもたちが教室を歩き回ったり、先生が教壇にあまり立たないなど、知らない方が見れば、一見「どうなってるの?」的な授業なので、周囲に対して子どもたちの成績が向上していることを見せたり、メディアで取り上げてもらったりして認知が広まることも必要だろうと感じました。

だいたい、想像つきます。
ただし、我々に比べて、やはりコントロールするところが抜けませんね。
メディアに出ることも考えていますが、先ずは、地固めです。
○○さんの周りの人にも「布教」してくださいね。

> 月末の教育委員会訪問と、来月の保護者参観をどうするか、っていうことも気になり始めています。これまでの授業の常識と違ったことをやると、いろいろ言われるのが常なので、少々気が重いです。

> それでは、失礼いたします。

あはははは
さて、質問です?
そのように悩んだ場合、『学び合い』を理解している教師だったら、どのようにするでしょうか?



            ?






            ?





            ?



            ?


答えは
子どもに率直に相談すればいいんです。
よくある研究授業前にやる、「ここではお前が、こう言って」のようなの劇の打ち合わせではありません。
操り人形になってもらうのではなく、考えてもらうんです。
保護者の人に、学び合いの良さを伝えたいんだけど、どうしたらいいかな?~ととえばいいんです。
簡単でしょ。あはははは

保護者会では、
説明した後に「色々申しましたが、詳しいことは子どもたちに聞いてください。私の十倍も説明できます。そういう子どもたちになっているんです!」と大見得きってください。
あとは、子どもたちがやります。

なお、ある同志が父母の授業参観でくばった文章を個人特定できない形で付けました。

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 本日は、お忙しいところ授業を参観下さりありがとうございます。授業の方法について説明をさせて頂きます。現在の授業では、上越教育大学教授 西川 純先生の提唱する理論にのっとり、『学び合い』による授業を実施しています。
 この授業は、従来の「教師が前に立って教え、それを生徒がじっと聞く」という考え方から脱却をし、「教師が可能な限り教えるのを控え、仲間同士のかかわり合いによって、自ら学ぶ生徒を育てる」ことを目標とした授業です。この授業をすることにより、生徒個々の学力が上がる。人間関係が向上するといった多くのメリットがあることが、膨大な実証的データにより証明されています。私も、一昨年度にこの方法で2ヶ月間授業を実施したところ、単元終了後の学力テストで全国平均点を20点近く上回る結果が得られました。
 この授業における基本的な考え方については、以下(学校の授業で大切にしたいこと)のような資料を作り生徒に配布し、説明をしております。ご一読ください。
どうぞ、お子さんの近くにお寄りになり、子供同士がどんな会話を通して学んでいるかを聞いて下さい。また、よろしかったら子ども達と一緒に、同じ課題で学習をしませんか?親さん同士で学習していただいても、お子さんと一緒に学習をしていただいても構いません。子ども達が授業で使うノートと同じものを置いておきますのでご自由にご利用ください。
なお、この学習方法に関する情報につきましては、上越教育大学 西川純のホームページをご覧下さい。「上越教育大学 西川純」で検索するとヒットするはずです。
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学校の授業で大切にしたいこと
君達が、これから先、生きていく上で最も大切な力は何だと思いますか?いろいろなことがあるとは思うけど、先生が考える大切な力というのは、「仲間の力をうまく借りる力」、かっこよく言うと、「コミュニケーション能力」です。人間一人の力にはどうしても限界があります。得意なことはそれぞれ違うから。例えば、新しいゲームを買った。クリヤーする方法が分からない。そんな時どうしますか?自力でクリヤーする事によほどのこだわりを持っている人でない限りは、誰か詳しい友だちに聞くのではないでしょうか?それは、先生達でも同じ事で、例えばパソコンの操作がよく分からない時は、自分より詳しいと思う人に聞きます。そうやって、うまく人の力を借りることで、自分に足りない部分を補うことができ、生活を豊かにしていくことができると思いませんか?
 ところで、話を少し変えますが、学習する上で一番効率のよいというか力がつく人数というのは先生一人に対して生徒何人だと思いますか?一番いいのは、生徒一人に先生が一人ずつついて、分からないところを丁寧に丁寧に教えてもらうというのが一番効率よく力がつくと考えられます。ところが、学校ではそれはできませんね。それに、先生一人に生徒一人で起こりうる最も不幸なことがあります。それは先生と合わない時です。1対1で勉強してても、例えば、質問するたびに「何でそんなことがわからんの?」と聞き返されたりしたらやる気がなくなるよね。仮に一生懸命教えてくれたとしても、その教え方では全然分からない場合も不幸だよね。そうすると、色々な教科ごとに自分にあった教え方をしてくれる先生が一人ずつ必要だということだよね。そんなのありえないよね。教室にはたくさんの人間がいるからね。40人の生徒に40人の先生なんて無理だよね。
そこで、30人以上の人間がいるのならそれをうまく生かせばいいんじゃないかなと考えで授業を作りたいと思います。
 そこで、これからやる先生の授業は、こういった問題を一挙に解決して誰もが、わかりやすく楽しい授業になることを目指した授業です。その為には、このクラスの仲間同士での学び合いをしながら学習を進めていってもらいます。考えてみて下さい。このクラスには30人以上の自分とは違う能力を持った仲間が存在しています。その仲間同士で教え合いをすれば、かなりの確率で自分にあった教え方をしてくれる仲間が見つかるはずです。そういった仲間の力をうまく借りることで、楽しくわかりやすい授業をつくることができるはずです。そして、自分が将来生きていく上で最も大切な力である人の力をうまく借りる力(コミュニケーション能力)を身につけることもできるはずです。
 この授業方法について、先生は研究・実践をしてきました。この授業方法で授業をすると、学力はつく、クラスの仲がよくなる、といったいい面があることが分かっています。
 これから先の授業、先生は、何をやるかの指示は出すけれど、どうやるかは教えません。もちろん、必要な道具の準備はしますが、授業における課題については、全て君達の力で解決する授業を目指します。先生に質問しても、君達の力で十分に解決できると先生が判断をした場合は、先生はあっさりと「何で先生に聞くの。」としか答えません。30人以上の力を合わせれば、教科書に書いてある程度の内容であれば、自分達の力で理解することぐらいは十分に可能です。とりあえずは班の仲間を中心にたくさん相談して学習を進めて下さい。もちろん他の班の仲間との交流も先生は邪魔しません。それとは逆に一人で学習したいという人の存在も認めます。ただし、1時間の授業が終わった時、誰に聞いても学習した内容について「~の事が分かった。」と的確に答えられるようにして下さい。この授業では、「みんなが分かる」ことが究極の目標です。一人でもそれができない場合は、君達の学習はうまくいっていないと言うことです。一人で学習することを選択することは認めますが、一人で学習している子にも、みんなが分かることについての責任は背負ってもらいます。さあ、これからの学習が楽しみです。

6月24日

西川先生、こんにちは。
○○の○○です。

学級でも学び合うというスタイルが浸透してきています。否定的な反応もほとんどなく、子どもたちに受け入れられているように感じます。

> ただし、我々に比べて、やはりコントロールするところが抜けませんね。

どうしても子どもたちが活動(それも、私がよいと思えるもの)していないと不安になるのです。どうにかならないかと思い、1時間で完結するような目標の授業ばかりでなく、数時間での目標を持たせる(HPにあるビデオで言えば「10時間で教科書を作ろう」のような)授業を取り入れようと考え「5時間程度で国語科「言葉の研究レポート」作り」を始めました。レポートの書き方などは教科書に説明があるのですが、
1人1レポートにさせたので、かなりハードルが高くなっています。
1班1レポートにすればよかったのかとも思いますが・・。

あと最近学び合うことが全員にとって大切であることを語る場面が減ってきているように思い反省しています。改めて、折を見て学び合うことの大切さを語っていこうと思います。

> ○○さんの周りの人にも「布教」してくださいね。
クラスの子どもたちには「先生の本を読めば面白いよ」と布教を始めました。同僚には夏休みの間に布教する予定でいます。自身でもう少し自信を持って学び合いを語れるようになってからにします。

教委訪問と保護者参観の件、ありがとうございました。
保護者参観は家庭科の授業を見ていただくことになりまして、選科の先生とTTを組み授業を行います。裁縫の学習の予定で、保護者の方々に子どもたちの近くに座っていただいたりして、学習の様子をご覧いただいたり、先生役をやっていただこうということになりました。期せずして学び合いに触れていただけることになりました。
教育委員会の訪問については、子どもたちと相談してみます。
きっと自分たちが学び合っている姿を見てもらおうということになるでしょう。

保護者の方へのメッセージ、ありがとうございました。
参観日の資料として使わせていただきます。

それでは、失礼いたします。

6月24日

こんにちは上越教育大学の西川です。
メール有り難うございます。

すべて順調なようで嬉しく、期待しています。

6月24日

西川先生、こんにちは。
○○の○○です。

さっそくのお返事ありがとうございました。

> すべて順調なようで嬉しく、期待しています。

ありがとうございます。
自分にとって、この学び合いを進めることは、これまでの教員生活で未経験なことばかりで最初はかなり心細かったです。しかし、子どもたちが学び合いに取り組む中で、男子と女子のつながりが強まったり、テストの成績もよくなってきているなど、子どもたちの姿の変化を見ることで、少しずつこの実践に対しての自信を持てるようになってきているかな・・という感じです。なかなか頭が固いというのが、自分での課題だと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

6月25日

西川先生、こんにちは。
○○の○○です。
お世話になっております。

今日は、校長室に西川先生の著書を持って出向き、私の学級で学び合いを実践していることをお話してきました。
「若いうちはいろいろなことに挑戦してみればよい、ただし、子どもたちどうしの学び合いというかたちを目指す以上、きっと思い通りに行かないこともあるだろうから覚悟してやれよ」とのお言葉をいただいて帰ってまいりました。
私の隣の5年生のもう1つのクラスの先生は○○のバリバリの方で、同じ学年なのにずいぶん違った雰囲気になるのですがその辺も「先生の持ち味だから」ということで受け容れていただき、明日からも引き続き学び合いを進めていきます。(校長がどう言っても学び合いを進めるつもりではいましたが。)
残念だったのは、忙しいことを理由に西川先生の著書を読む時間がないと言われてしまったことです。

今夜、PTAの集まりがありました。昨年度から本年度にかけて(学び合いを始めて2週間目ぐらいまで)クラスメイトにバカにされるような声をよくかけられ気になっていた私のクラスの子どもの保護者とお話をしました。
「最近お子さんはどうですか?」とたずねると、「このごろ妙に落ち着いていて、最近は社会体育のサッカークラブに参加するようになったんです」とのお返事。短絡的に考えるのはどうかとも思うのですが、確かに学び合いを始めてからは、その子をバカにするような声も聞かれなくなり、毎時間楽しそうに班の仲間と学習をしているその子の姿が思い出され、これも学び合いの威力なのではないだろうかと感じました。その子が属している学級の班のメンバーに恵まれているっていうのも大きいのかもしれません。

さて、お誘いいただきましたブログですが、はてなに登録し、学び合いグループへの参加申請を行いました。
ブログは私にとって未経験ゾーンで、どれだけのことができるか不安なのですが、どうぞよろしくお願いいたます。

それでは、失礼いたします。

 以降の実践は、「某」ブログにて公開中です。